「山内さんはアイドルをプロデュースすればいい!はやりだからね!」
というアドバイスを頂きまして、SWEET SOUL RECORDSが
アイドルグループをプロデュースしたらどうなるか考えることがありました。
「AKBについてはどう思いますか?」ともよく聞かれます。
実際に2年ほど前に秋葉原で行われたライブにいった事もありますが、
レベルの高いエンターテインメントでした。
演出も、衣装も、空間も一流だったと思います。
全く詳しくない僕でも楽しめたのはしっかりと
ターゲット外のユーザーにも訴求力がある商品ができてるということ。
そしてマネージメントの方もアーティストをとても大切にしていらしゃいます。
生態系が出来て、回りにそれを愛する人がいる。素敵です。
それ以外にはなにもありません。
そんな簡単じゃないですよ?
アイドルグループを僕たちがビジネスとして扱うこと、
まずその音楽にもマーケットにも詳しくなければいけない。
詳しくなるには、勉強しなければいけない。
勉強してなんとかなるんだったらみんなやっている訳で、
今だからこそ成功しているビジネスだと思うのですが、
業界の大御所のプロデューサーの方が何年も培っていたノウハウを
存分に使って成立させたモデル。初期投資半端ないですよ。
それをやればいいじゃんって言ってる人、ライブいったことありますか?
裏方の仕事みたことありますか?めっちゃくちゃ大変なはずですよー。
そしてなによりこのタイミングでの参入は競合が多すぎるし、ノウハウもないし
ビジネス的に正直チャンスないと思います。
ジャンルを変えれば成功するの?
「とにかくじゃあ、なんでもいいからジャンルを広くやりなよ!ロックとか」
っという返しが来ます。たしかにパイは広がる。
リリースが増える分、売上も多少あがるかもしれません。
なにが成功なのかという定義もあるんですが、
専門レーベルとして認知されているレコード会社が
突然ジャンルを変えた時のデメリットいっぱいあります。
ジャンルを変えたら店舗の担当バイヤーさんも変わるし
営業も一からやり直し。3年間積み上げて来た事が
基本ほぼパァになるって考えた方がいいです。
そして僕たちのような新米レーベルは
ただでさえ信用がない上に、同じようなレーベルがいる中、
なにも特徴がないことにどんな訴求力がうまれるのでしょうか。
僕たちはいまやってることでまずは1位をめざさなければいけないのです。
そして得意な事をやる。アーティストにとっても、
まったくロックの知識や愛がない人がその音楽を扱う事って
幸せなのでしょうか?
そこに志はあるのか?
我々SWEET SOUL RECORDSに集まる人間はみんな音楽が大好きです。
そしてなにより、アーティスト・クリエイターが大好きです。
一人一人のアーティストと直でやり取りをし、
彼らの人間性、音楽を大事にリリースをしています。
無感情にビジネスをする事は僕たちにとって意味が有りません。
売れることを最優先に本人が望めば、もちろんその方向性を検討しますが、
望まれない限り、音楽自体にビジネスエゴを入れないスタンスを続けています。
僕たちはビジネスのために音楽自身をひんまげたりすることは
良くないと思っています。
アーティストが持つ、そのままの芸術性を楽しんでいただける人達を
ちゃんと探して、より楽しんで頂けるように情報を付加し
音楽の楽しみ方を提案する事。それを成立させて成功させる事が、
大事な事だと考えています。
ビジネスのためにはSOULが好きなアーティストにアイドルになれ!
とかアイドルにしちゃえばいいじゃん!と平気で言う人、
ぜひうちレーベル以外の方々に提案してみてください。
そしてこんな素敵な曲をきいてアーティストの気持ち考えてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=YPvqxpVz1W8
何を目指しているか?
ビジネスはビジネスである。そんな風に割り切って仕事をする人もいるでしょう。
儲かれば別に何でも良い。そう思っている人もいると思います。
でももし僕たちが社会に必要な使命を意識しつつ、ビジネスもうまくいって
ただ儲かるだけではなく、社会的に意味があることができれば
それにこした事はないとおもいませんか。
ボランティアで。という意見もたまに頂きます。
無料奉仕。無料、無料、無料。なんでも無料にすることが
果たして社会を良くしていくのでしょうか。
僕たちがまず目指すところはアーティスト、レーベルがしっかり継続できる生態系をつくること。
僕たちは音楽によって出会い、音楽に助けられ、音楽から学びます。
人生における一生涯の師のような存在の音楽には嘘つけません。
無感情にビジネスだけを考えるんだったら、自分でレーベルをやりません。
わざわざ風前の灯の音楽業界にも参入しません。
愛があるからなんとかしたい。志があるからあえて難しい事に挑戦して
それを解決する事に使命を感じているのです。
僕たち得意な領域であり、応援しなければいけない人達の好きな音楽が
マイノリティであるということは事実です。
なかには賛成出来ない人もいるし、理解をして頂けない方もいると思います。
最後に
音楽はファッションである。はやりすたりがあると考える人も多くいると思います。
そんな世の中でも、僕たちは100年でも、1000年でもいつ聞いても、
かわらず良いものを常に提案し続けたい。
そして商業的な理由で音楽自体を変える事なく、多くの人に楽しんでもらう
方法を僕たちが創出する方法を目指して進んでいきます。
SWEET SOULがアイドルを手掛けられない理由、
十分伝わったことを願っています。
でもちょっとまて!こんなアイドルはやりたいぜ!!!
http://www.youtube.com/watch?v=aUp1enxZmWU
渋谷で本当に音が好きなひとが集まるクラブ箱の代表としてFamilyがあります。
渋谷の黒い音の文化をつくっているプラットフォームであり、
シーンの仲間が集まりミュージシャンやアーティストやクラブを運営する人が
全員同じ目線で仲間意識を持って活動をしている
相互的な生態系が出来ているようなイメージがあります。
Familyの高山さんとはDJ HIROKINGを介して紹介して頂いたのですが、
TOKYO SOUL DRIVEをなれないKitsuneでやった時に二人で超重い機材達を
何度も往復して搬入した仲間です笑
そしてなによりも、SWEET SOUL RECORDSのことを応援してくださっていて、
始めてお会いした際にはAlohaの7inchを既に持っていらっしゃって感動しました。
SSRの音と高山さんのご趣味がばっちりとのことで、嬉しい限りです。
そんなゆかりの深い、Familyさんとのコラボレーションが実現です。
SWEET SOUL RECORDSはレコード会社であり、
マネージメント会社やイベント会社のようにライブはあまり得意としていないんですが、
こうやって高山さんが素晴らしい機会をつくって下って
SWEET SOUL RECORDSからリリースしたアーティスト達が
日本でライブをできることになりました。
さてさて、本題です。
TOKYO SOUL DRIVEラヴァーズならもちろんご存知のこの二人!
Rayn!! 前回日本に来てくれた時は、浅草に案内しました笑
そしてオランダに僕が行った時には、
愛車のワーゲンでいろんなところにつれてってくれました。
僕は個人的に彼のWe Got Loveが大好きで、
ダニー・ハサウェイ+マイケル・ジャクソンを2でわったような
おいしさを感じさせてくれるのと
不可能なことを可能にする彼の心の声を感じる事が出来ます。
そして、SONG! 彼女は世界中を飛び回って、パリでも活躍をしていたアーティスト。
彼女の心の豊かさがライブではミュージシャンに最高の起爆剤になり、
とんでもないケミストリーがおきます。だからそれが本当にたのしみ。
WORLD SOUL COLLECTIVEに収録される曲は、ご存知Guruのフィーチャリングです。
詳しいライブ情報はSWEET SOUL RECORDSのオフィシャルサイトを是非ご覧下さい!
3月31日と4月29日、二本立てでおこなわれます!
お時間のある方は是非いらっしゃってください!
5周年パーティでちらりとお見せしたのですが、
ライフサウンドのPVが出来上がりました。
モバーシャルの高野さんにご協力を頂いたのですが、
素敵な編集をしてくださってとても感謝しています!
モバーシャルさんとは色々と仲良くさせて頂いております。
※彼らのウェブサイトは僕たちがプロデュースさせて頂きました。
このPVだけを見ると何の会社なの?と思われるかもしれませんが、
狙いは採用ページに設置する事によって、
ライフサウンドで生まれている”空気感”をよりシンプル且つリアルに
感じて頂く事を目指しました。
キーワードは
- 真剣さ・真面目さ・プロフェッショナル
- 職場の快適さ
- クリエイティブへの追求
- グローバルさ
3つの事業の日常を切り取り
それぞれの事業で働く人のリアルを見せています!
皆さんここから見れますので是非見てみて下さいね!
土曜日に行われた5周年パーティ、皆様ご来場ありがとうございました。
200名近い方で、会場は満員に。まさかこんなに多くの方が来てくださるなんて・・・
幸せな時間を過ごさせて頂きました。
写真で語る、3月16日のJzBrat。
DJ達が選ぶリアルミュージックとJZ Bratの持つ特別な雰囲気が織りなす
心地よい空間ができあがりました。見ての通り、たくさんの人たち。
大切にしている同志のゲストDJ、西崎さん有り難う御座います。
飛び入り参加、DJ HIROKING、最後を飾ってくれた neco DJ最高でした。
そんななか流れる、須田さんが12年間にわたって撮影し続けた
アフガン難民の少女、ファラシテさんの写真達。
まだか、まだか、とライブを楽しみにしている方々の雰囲気。
暗闇の中、ルバートで始まった世界をつなぐ魔法をかけるNao Yoshiokaライブ。
ご来場の皆様にしかお伝えしていない、ビッグニュースも。
Make the Changeをメッセージにこれからの彼女の活動に期待です。
MDの中村亮さん、素晴らしいバンドメンバー、沼倉さん、宮川さん、TAKさん最高です。
ライフサウンドのコーポレートPVをご紹介。
モバーシャルの高野さんが素晴らしい仕事してくれました。
※近日中に弊社HPで公開予定です。
放映中にMACのWIFIが何度か立ち上がった用に見えましたが、
あれは演出です。インターネット会社ですので!
聞き苦しいMC、スピーチではありましたが、ご清聴ありがとうございました。
そしてお待ちかねは、ライフサウンドレコードを卒業し、現在留学中のアーティスト澤田かおり。
昨年までマネージャーを勤めていましたが、今日は結婚後初の生ライブ。
歌詞の情景がリアルに目の前に広がるような表現力。
今まで見たライブの中で最も素晴らしく、相変わらず別格な澤田かおりでした。
一皮も二皮も向けて、信じられないくらい最高でした。
そしてそして、
こんなコラボレーションを誰が想像出来たでしょうか。
澤田かおり×Nao Yoshioka。OMGものですよ!曲はLOVE, SOUL LIGHTSから。
ライブの最後には皆様に御礼と、お約束をさせて頂きました。
全員集合!といきたかったのですが、
都合があって先に帰ってしまった人もいたので全員ではないのですが
今までできた仲間は一生の宝物です。
みなさんにたくさんのお花やプレゼントを頂きました。
改めまして、当日会場に来てくださった皆様、これまで応援をしてくださった
全ての方に、心より御礼申し上げます。
僕たちにはひとりひとり、それぞれ与えられた使命がきっとあると僕は考えます。
使命に気付き、それに向かって最短距離を走る事がきっと人生を豊かにできることだと信じています。
「普段気付きにくいですが、人と人のつながりのきっかけには創造物がある。」
素晴らしい創造物が増えれば、人同士の深い共鳴が生まれます。
さて、次は5年後の10周年パーティと少し先ですが、
今後ともベンチャー精神を忘れず、新しいアイデアで挑戦をしていきますので、
ご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
2013/3/17 山内直己
※ライフサウンドではこの5周年の機会に、これからの5年を創り上げる
新しいメンバーを募集しています。
詳しい情報はまたブログにてアップいたします。
今週の水曜日、3月13日ライフサウンド株式会社はついに5歳になりました。
当日は朝起きた時から、いままでのエピソードが頭を巡り、
そしてこれまで関わってくださったみなさんのお顔を思い出しました。
5周年を迎えられた事を、とても嬉しく感じる事が出来ました。
同年代の優秀な起業家仲間達にくらべたら僕なんて下の下くらいですが、
現在一緒に仕事をしている仲間達は最高のメンバーです。
本当に個性豊かなメンバー達と出会い仕事ができている事が幸せです。
いままでの皆様のご支援を心より御礼申し上げます。
ライフサウンドは現在約10名のメンバーがおりますが、
みんな、音や写真やデザインといったクリエイティブ(創造物)を通じて繋がっています。
そしてライフサウンドは社名の通り、大半が音でつながっていたりします。
たとえば写真に映っている取締役の小蔵さんはぼくの大学時代のバンドメンバーであり、
さっちゃんはリトルソウルカフェというソウルバーの宮前さんにご紹介頂いたり、
ひよりはFRGというMCを通じて繋がっています。
音やデザイン、様々な創造物達はそれを単一で楽しむ機能だけではなく
人をネットワークしてしまう力もあると、みなさん知っていましたか?
なにかをゼロから創りそれを表現する人がいなければ
僕たちは繋がってなかったかもしれません。
だからこそ、僕たちはクリエイター、アーティスト達の活躍の場を創りたい。
彼らの活躍から始まる無限の可能性達が社会をより良くすると考えているからです。
決して、全てがうまくいっているとは言えない現状もあるのですが、
ミッションである、多彩なライフスタイルの実現に少しでも貢献できていると
胸を張って言う事が出来ると思います。
これも偏に、皆様のお力添えがあったからこそ成し得た事です。
そしてアーティストにも支えられています。以前ご紹介したオランダ出張で
リアルに出会い、SWEET SOUL RECORDSからEP『 New Day 』リリースをしている、
Mary Davis Jr.がこんな動画をつくってくれました。
本当に色々な方に支えられて、感謝しきれないくらいです。
イベントというカタチで、この感謝の思いを表現させて頂きたく思います。
参加アーティスト達のライブがあることで会場との都合上、
チケット制とさせて頂きましたが、お越し頂いた際には
少ないですが軽食やスペシャルノベルティ、
そして澤田かおりとNao Yoshiokaのライブ
西崎信太郎氏やneco DJがつくる最高の音の空間
須田卓馬さんによる写真などクリエイティビティに溢れた空間をみなさんにご提供します。
子供連れの方もこれるようにスペシャルスペースも設けております!
そしてシークレットDJは2名!イニシャルでN.Y.が一人、みなさんご存知DJの王様が緊急参戦です笑
18時から22時という長い時間ですので空間をたのしみつつ、
ゆっくりお話が出来ると幸いです!
たくさんの皆様に既にご予約頂いておりますが、
当日を最高に楽しむためにきわめて個人的なまとめ。
- 比較的お洒落目に来る。集まるひとみんながお洒落だとあがります。
- 山内にたかる:JZのシステム上、自分でドリンク購入なんですが、もちろん御馳走しますのでたかってください。
- DJ達はみなさんイケメンが多いです。
- DJタイムは:音と雰囲気と会話を楽しんで下さい。僕も積極的にみなさんに話しかけ、いろいろつなぎます。
- 2ライブは絶対に見逃せない:ライブを絶対に見た方がいいです。2回に別れています!
- ノベルティ素敵です。
- 軽食:量が少ないので早めに来てください。。。ごめんなさい。
- 社員にはなしかける:みんな変態ですが、はなしかけたらいろんな意味で発見があり楽しいと思います。
- サプライズ:あるかもしれません。
スペシャルノベルティは音楽会社らしく”アレ”なんですが、
この5周年のためだけにつくられ、会場だけでご来場さまに配られます!
すけはる君がこのためだけにつくってくれた特設サイト、是非ご覧下さい。
さて重要な事は書きましたので最後に
5周年を迎えて自分の学んだ事、5年後自分が振返りたいという欲も含め
タイムカプセル的に感じた事を少しだけここに書かせてください。
いろいろあるのですが、特に覚えておきたいこと3つ。
5年後の自分にリマインドしたい事。
1.まず、運が良かった。自分がおかれている環境がなんのために
与えられているか?絶対に忘れない事。※ちょっと意味不明且つ、スピリチュアルですみません。
2.自分の長けている事は常にいろんなことを同時並行で進められることであり、
志は一つでもそのアウトプットは色々なカタチがあるということ。
一つの事業に集中せずに、3つ同時に平行させている事で
3つ以上のビジネスモデルを一気に体験する事が出来ました。
B to Bの受託サービス、施設投資ビジネス、製品開発、流通などなど
音楽とインターネット制作とスタジオ運営から学び、
実践しながら学んでいく事。これからはこの経験から出た結論を
すべての仕事にフィードバックしていくことが大事。
3. ベンチャー精神を絶対に忘れない事。
自分が真の起業家ではなかったとしても、
何年経ってもマインドは常にベンチャー精神を持つ事。
業界のマナーに染まってしまったり、
ルールや歴史に縛られない
常に革新的なアイデアやマインドで既存の固定観念をぶちこわしていく事。
きわめて個人的なリマインダーになりましたが、
きっと一緒にお仕事をしている人であれば、なんとなく
わかってくれるような気がします。
ということで明日、お会い出来る事を心から楽しみにしております!
ディアンジェロ×クエストラヴのライブ映像が
okayplayerのYOUTUBEでアップされてるので興奮してアップです。
先日一緒に仕事をしたエンジニアが、
D’angeloの次のアルバムのRECをしたラッセル・エルバド氏の弟子で
実際にアルバムを聞いたらしいのですが、、めちゃくちゃ楽しみですねー!!!
前回はMIDEMへの参加理由をご説明しました。今回は実際のMIDEMで感じた事を綴ります。いままでブログを書いたなかで一番賛否両論かもしれません。日本の一音楽レーベルの一人の意見ですので、きわめて主観的かもしれません。ちなみに、テックサイドのレポートは素敵なブログをgetstageの鈴木さんが書いていらっしゃいましたので、こちらからご覧下さい。
どんなかんじ?
75ヵ国3000社が集まるといわれるこのミデムですが、まず第一印象として、テックサイドをのぞいて、そんなに力入れて仕事をしに来てる人は少ないということ。みんなお祭り気分というか、ほぼ毎年同じメンツで、同窓会のような雰囲気さえ感じました。カンヌに遊びに来ちゃおうかなって言う人に溢れているような気がします。。
それはそれでとても素敵なことなんですが、そんな慣行もあって、音楽業界の世界的な売上な減少と一緒にこのMIDEM毎年規模が小さくなっているとの事です。フィジカルからデジタルのシフト音楽がのっかるIT企業の未来は明るい、そしてブースやプレゼンテーションにも活気が溢れます。既存の音楽ビジネスは陳腐化をたどり、規模を小さくしながらおなじことのルーチンが繰り返されているのようなかんじです。なんだか、音楽業界の縮図の用な気がしました。
とにかく元気だったのはKPOPという印象。MIDEM開催中、同時に別会場では今話題のガンナムスタイルのPSYも来ていたようで、とにかく注目はKPOP。それでも音楽大国日本は他の国に比べてブースも多く、各メジャーメーカーは商談をせっせとしている印象でした。日本のブースのスクリーンでは、アイドルとビジュアル系がひたすら流れこれが日本の象徴ですと言わんばかりのどやっぷりだったのと、日本の音楽業界のプレゼンテーションでも音楽出版協会の関係者の方がまるで自分の功績のように、AKBをはじめとしたアイドルコンテンツの好調さを流暢な英語で説明していました。
マクロに見れば日本の音楽業界の売上は数字的にはのびている。それは事実ではあるのですが、J-POPの売上とは裏腹に、洋楽やその他のジャンルは結構なパーセンテージで減少しているんですよね。次はまたなにか新しい流行が今回のように売上を救っていくのかどうか。CDがうれない時代に、複数購入をしてしまうような秀逸な販売手法が再度適応できるようなビジネスを継続できるのか?オーバーグラウンドのシーンではこういったことが焦点になるのではないかなーとざっくりと感じました。
また印象に残っていることとしては、SAKEパーティ。日本はどこかの国に、何百億も金利無しであげちゃうくらいとってもジェネラスな国と人達なので、初日には鏡割りをしてSAKEをふるまい、連日18時頃になるとお酒とおつまみがブースで振る舞われました。商談に訪れた人たちは大喜び。ブースはもちろんいろんな国の人々に溢れました日本の音楽協会、そんな余裕あるのー?!と心で思いつつ、新米音楽レーベルの僕たちはそれを目の前に、とにかく商談を進めます。
歴史もなく、本当にせまい領域で勝負をしている三角形の底辺にいるような僕たちインデペンダントレーベルには、会場の雰囲気に合わせてまったりできるわけがなく、この環境で改めて危機を感じ、必要以上にアポイントを増やしとにかく成果を出すために、動きまくりました。
何をやってたの?
とにかく商談、商談、商談。成果が即時にでるものではないので、営業マンとしては焦るので、既に取ってあったアポ+飛び込み、あとブースにどんどん訪問きてくれるので、有意義なアポと判断したら、追加で商談を入れる。3日間それの繰り返しです。夜には多くのライブが行われたみたいなのですが、ご存知の通り僕たちが興味がありそうなライブはなかったのと、夜はバタンキューが大半でした。
何がよかったの?
MIDEMに参加してよかったこと。大きく3つあります。それを解説していきましょう。
普段会えないような新しいひとのつながりが出来た。
MIDEMの特徴である、全世界から音楽業界の人やテックの人が集まるという意味で、今回出来た人とのつながりはとても貴重だと思っています。
まずは商談相手である、ヨーロッパ、アメリカ方面、そしてアジアのレーベルや配信会社の人たち。わざわざ出張してやってくる人は、少なくともマネージャー以上の人が多く、具体的な話になりやすいことが特徴。
印象的なのは日本でも今話題になっているSpotifyさんとのミーティングをさせて頂きました。会社の戦略や、日本におけるレーベルとの関係性など詳しくお伺いする事が出来きました。きっと日本ではメジャーレーベルの最後の最後に後回しにされる僕たちのような小さなレーベルでも、MIDEMにいく事によって比較的早めに最新の音楽配信会社の情報とコネクションをつかめた事は大きいです。音楽業界は極めて属人的な業界のため、キーパーソンとのコネクションは欠かせませんからね。
写真は思わぬ高校の同級生との再開。ビートロボというユニークなサービスを展開し、MIDEMでもファイナリストに勝ち上がり、素晴らしいプレゼンテーションをしていた浅枝くん。右は全くジャンルは違いますが、レーベルとしてご参加していらっしゃったムーンシャインの鈴木社長です。
成功している会社のロールモデルを見る事が出来た。
JETROさんの支援もありフランスのかなり有力なマネージメント会社やレーベルと引き合いを頂く事が出来ました。 またオランダ大使館の方にも紹介頂いた、オランダの優良音楽レーベルにも会いました。パリでは会社を見学にいく事も出来ましたし、成功している音楽会社の経営者と話す事により、成功する共通点の用なものを感じる事が出来ました。
ニッチに強く共鳴し合う
僕たちにとって今回初参加のMIDEMに挑むにあたって、より精度の高いアポイントを獲得するため、事前に提供されたリストをもとに、実際に商談を進められるだろうと思われる商談先を絞り込みました。そしてとにかくアポイントを取る。でもまず、そこで気付いた事なんですが、僕たちのような音楽を扱っている人たちは他のジャンルに比べて比率的にかなり少なかった。SOUL、FUNK、R&Bというキーワードがなかなか見つからなかったのです笑
これは参加決定をし、MIDEMに参加料金を支払った後に調査が可能な事項で、僕たちの渡航前の不安材料の一つになったのですが、結果的には数が少なくても成果を得ることはできました。目的が明確なため、アプローチをしたきた会社達、またはアーティストは僕たちを同じ想いをして、話を始めると水を得た魚のように、お互い話がスムースに進んだのです。
結局意味あったの?
当初目的であった、”アーティストを売り込みつつ、世界各国それぞれのパートナーを探す。おまけにエンジニアまで採用してしまおう!という下心付きです。”のうち、アーティストの売込みに関しては、実際海外のマネージメント会社やライブブッキングエージェンシーの方とポジティブに話が進み、現在進行形です。そして世界各国のパートナーに関しても、ヨーロッパとアジア領域での流通に期待ができそうです。エンジニアさんを見つけるのは困難だったんですけどね。。
ある程度成果は見えたものの、収益が発生するところや、具体的に目に見えるような成果は引き続き時間がかりそうです。なので意味があったかなかったかは今後の僕たちにかかっています。ちなみに今回僕たちがMIDEMに参加することに決めた大きな要因は、JETROさんの支援でした。支援内容は無償での、商談コーディネート、JAPANブースの利用、現地情報の提供、その他手厚い支援があります。重要なアポイントの大半はパリ在住の超敏腕コーディネーター、山田蓉子さんとJETROのスタッフの方々の御陰です。もしこのブログを見てご興味をもたれた方がいらっしゃるのならば、JETROさんの支援を受ける事を強くお勧めいたします。
最後に
今回の旅、2週間の旅程に休息という予定を1日もいれなかったという誤算と、度重なる商談で最終的にはパリで体調を崩したわけなんですが、そのなかでもMIDEMのダメージは大きく、商談にはかなり集中力をやられたり、無駄なアポイントに時間を取られることもあり疲労がたまったのですが、そんな疲れも吹っ飛んだできことがありまして、「あぁ、おれはこのためだったらがんばれるんだなー」と思ったことがありました。
そうなんです。結局、素晴らしいアーティストが僕たちを探して合いにきてくれたことが僕にとっては一番嬉しいことだった。今後SWEET SOUL RECORDSからリリースを期待できる合計4人ものアーティストが、わざわざFACEBOOKなどを使ってコンタクトして会いにきてたり、飛び込みでプレゼンをしてくれました。それぞれ個性があって、なかにはIPADやMACBOOKでプレゼンをしてくれて、ビジネスマンよりよっぽどクリエイティブで、見せ方も工夫されていました。そんな会話の中でアーティスト性やその人の思考などを理解するチャンスであり、それがどのように音楽に反映されているかを感じれることが僕にとってはとても楽しいことなんですよね。良い音楽、素敵なアーティストと出会ったときには、本当に疲れなんか吹っ飛んでしまいます。
僕たちは歴史も浅い、まだまだ力不足なレーベルです。アーティストがしっかりと活動を続けられる生態系を創ることを常に考えていますが、それにはやはりセールスが伴わなければ還元することができません。世界の成功している先輩方から常に学び、歴史を塗り替えられるよう、積極的にテクノロジーや海外を視野に入れて活動をしていく2013年の始まりにふさわしい渡航となりました。現在も続いているMIDEMから生まれた取り組みに今後もご期待ください。
最後に再度御礼を。クールジャパン政策の一環で”日本のコンテンツを海外に”と真剣に取り組んでいらっしゃるJETROの皆様には商談のコーディネートや現地情報、様々なサポートをして頂きました。僕たちのような小さなレーベルでも本気で取り組んでくださった、コーディネーターの山田さん、そして平井さん、橋本さん現地スタッフの上田さん、心から敬意を表します。
これからも日本から生まれる新しいレーベル、音楽を世界に広める活動を国として支える取り組みが今後も継続し、大きくなっていく事を願っております。
2008年3月13日に設立したライフサウンドですが、
御陰さまで今年の3月で5周年を迎えます。
数名のインターンと自宅の床を机に始めた会社も、
今では10人のスタッフと一緒にオフィスで働いております。
5年間考えてみますと、本当に皆さんに助けられたことを
思い浮かべるとともに、やはりアーティストやクリエイター
と一緒に育って来た会社・レーベルです。
みなさんへの感謝の気持ちを込めて
やはりライブイベントというカタチで最高の空間を
ご提供させて頂く事といたしました。
出演アーティスト、超豪華です。
ライフサウンドの歴史を語る時、彼女無しには語れません。
今年大きくデビューを予定している澤田かおり。
そして、去年ニューヨークから彗星のように現れ、
SWEET SOUL RECORDSの初のオリジナル曲に参加した
Nao Yoshiokaのダブルキャスト。
バンドはSWEET SOULが愛してやまない日本が誇る稀有の才能
中村亮がMDを努めます。
DJには西崎信太郎氏をはじめ、おなじみneco DJ。
会場に早めに来て頂ければ、
もしかしたら、シークレットDJのプレイも見る事が可能です。。。
ご来場の関係者の皆様には贈呈品もご用意してお待ちしております。
SWEET SOUL RECORDS PRESENTS
「LIFESOUND 5TH ANNIVERSARY」
[Members]
澤田かおり
Nao Yoshioka
中村亮(MD,Dr)
田中”TAK”拓也(Gt)
沼倉尚由(Ba)
宮川純(Key)
西崎信太郎, neco DJ他
[Show Time]
Open 18:00 Close 22:30
※深夜イベントではございませんので、ご注意ください。
[Venue]
JzBrat (渋谷セルリアンタワー内)
[Charges]
予約¥3,500 当日¥4,000
※スタンディング・自由席、ドリンク別
[Contents]
SWEET SOUL RECORDSのマザーカンパニーLIFESOUNDが今年で設立5周年を迎え、
記念イベントを開催!澤田かおり、Nao Yoshiokaのダブルキャスト2ステージと
DJが創り出す、スウィート且つソウルフルな空間を存分にお楽しみください!
[Reservation]
予約はこちらからお願いいたします。
http://www.sweetsoulrecords.com/lifesound-5th-anniversary-live-reservation/
JETROさんの手厚い支援によって始まったSWEET SOUL RECORDSのMIDEM2013への参加でしたがパリでの商談も無事に終えて、先日日本に帰国しました。カンヌ、パリの記憶をフレッシュなうちに綴ります。
世界規模の音楽展示会MIDEM2013。以前ブログで少し紹介しましたが、新しくなったライフサウンドのホームページでも紹介されております。
今回のブログは現地レポートもしつつ、SWEET SOUL RECORDSがなぜMIDEMに参加したのか僕が何を感じたのかどんな成果が有ったのかなど前編と後編+パリおまけ編くらいで3回にわけて書こうと思います。
以前の現地レポートをしたオランダのアムステルダムからフランスのニースまで、ひとっ飛び。そしてカンヌまでバスで移動しました。カンヌといえば、セレブ達が集まる南フランスの港町。
MIDEMの会場も海沿いにありました。
関係者パスを手に入れて、
下見がてら早速会場に。
開催前日のためまだガラガラの会場。ペットボトルが転がり、まだまだつくってる感たっぷりです。
町の風景※ゴミ転がってるのわかりますか?
カンヌがどんなところかわかるように
写真をちらほら。このレストラン、店員さんはかなり美人だったけど、チェックするまでに15分くらいまたされました。マイクはリラックス。
個人的な感想を言うと、景色はきれいだけどゴミが転がっててきたない、
中途半端なリゾート地。ごはんがとにかく高い。レストランの店員も観光客慣れしていて十分感じが悪く、ちゃんと働かない印象です笑 ビジネス目的でも、プライベートだとしても、もうカンヌはこの1回でいいな。。という印象。おそらくボートを持っているようなセレブの人は全く違うサービスを使い、違うエリアで過ごしていると思いますので、あくまで個人的な意見です。
無駄話はこれくらいにしてさて本題に移りましょう。今回はなぜ僕たちがMIDEMに参加したかという話をざっくり書きます。
SWEET SOULはなんでMIDEMに参加したのか?
結論からざっくり言えば、
「今年から、よりワールドワイドに活動を行うため、世界の音楽会社が集まるMIDEMにいって一気に商機を見つけてこよう!」
という話です。ワールドワイドと言いましたが、正確にはボーダレスにしていくと言った方が正しいかもしれません。
SWEET SOUL RECORDSが創立時から変わらずうたって来た事。
それは、日本から新たなるソウル文化をつくること。
今まで私たちがこれを実現するためにどういった活動を続けてきたか、時系列で説明をします。
2009年〜2010設立時、〜日本から世界へ〜
SWEET SOUL RECORDSの始まりはSOUL OVER THE RACE。
魂は人種を越える事を証明する。
まずはじめに、僕たち日本人にもSOULがあり、それを証明した作品をつくりました。アメリカ、UKでもセールスが有り、今でもコンスタントにiTunesで世界各国の人に楽しまれています。
2011~2012年時、〜世界から日本へ〜
そして2番目に始めた事はSPREAD REAL MUSICをキーワードに、
世界中の素晴らしいSOULをもったインデペンダントアーティスト達のCDを日本で広める事。
良い音楽を拡散して、みなさんに現行の世界にいるアーティスト達の声を聞いて頂く土壌をつくること。現在私たちがリリースに携わったアーティスト達は50人以上、15カ国にも及ぶ様々な国の音楽を日本でリリースしました。 世界はソウルで繋がっているという事実をカタチにする事が出来ました。
そしてこの3年で僕たちが築いたものをベースに新しいフェーズが始まります。
2013年から目指すのは、ボーダレスなSOULカルチャーをつくること。〜無国境化〜
より詳しく述べるならば、世界中にいるソウルファンを一手に集めた世界規模のコミュニティを創出し、国という概念を超えてソウルで繋がるソウルカルチャーを発信すること。
そのためには、僕らだけでなく世界中のアーティスト達にも協力をしてもらう必要があります。
では具体的に僕たちが何をはじめるかというと、
1.ボーダレスを象徴するアーティストの発掘/育成
世界規模で活躍出来るアーティストを育て、その活躍の機会を提供してくれるパートナー達を捜す事。
※それがだれかということはきっと既に気付いている方もいるかもしれません。世界の各国でたくさんのコラボレーションをします。
2. 全世界流通開始
日本だけで売っていた海外アーティストの作品達をこれからは世界を視野に、僕たちがHUBになり流通、販売、プロモーションなど多岐にわたる範囲でアーティストへのサービスを開始する。
3.プラットフォームを創る
プラットフォームといってもいろいろありますが、僕たちはインターネット上にコミュニティを創る事を具体的な視野に入れています。
つまりMIDEMでは、、、
アーティストを売り込みつつ、世界各国それぞれのパートナーを探す。おまけにエンジニアまで採用してしまおう!という下心付きです。
上記を実現するために、僕たちは今年2013年、MIDEMに挑んだわけです。
それでは、次回は実際、MIDEMで何があり何を感じたかをご紹介します。
乞うご期待。
本日はパリからブログを書いております。MIDEM終了後、カンヌからパリに移動してから3日間、体調をすっかり崩しまして、今日やっとPC復帰する事が出来ました。MIDEMの様子なども追ってブログにアップしていきますが、忘れないうちにオランダの素晴らしい音楽シーンについて書こうと思います。
SWEET SOUL RECORDSから既に6タイトルものオランダ人のアーティストがリリースをしています。
Sacha Vee(発売はNew zealand )
明らかにオランダは良質な音楽が生まれている国と言えます。
アーティスト性ももちろんなのですが、アーティストを取り巻く人たちのクリエイティビティやレコーディングの質の高さなども僕たちが現在付き合っている15カ国のアーティスト達と比べても高水準にいると言えます。しかし統計的なデータを考えると人口はたったの1700万人。僕にとってオランダは本当に興味深い国であり、今回こうして訪れる事によってその真相を知る事が出来ました。
おそらく僕がここに書くオランダはこの旅を通じて最もクールな人たちと出会い、その一部を垣間みたことを断片的にかくことにすぎません。でもそこにきっといろんな答えを見出せるはずです。
オランダってどんな国?
ここ最近海外に行った中で僕はオランダが最も気に入りました。オランダの後にフランスになんて来てしまうと、正直嫌でたまりません。。僕の印象はこんな国です。
衣:アムステルダム、ロッテルダムみなさんお洒落です。もちろん僕が会ったアーティスト達はみんなとってもお洒落でした。素敵な雑貨屋を発見したのでここに写真で紹介。
食:オランダ料理っていうのは食べてないんですが、Shirmaにつれていってもらったレストランは全部◎でした。
飲み物が安い!ビールは2ユーロとかで飲めます。
住:椅子が高い。トイレの椅子さえ高い。さすが平均身長180cm以上。。衛生的で町も駅も綺麗です。海外の人に対してオープンな印象を受けます。交通機関は非常に発達していて、PASMOのようなシステムがあります。そして驚いたのは行く場所ほぼ全てにWIFIが飛んでいて、ネットに困りませんでした。町並みもだいぶ素敵です。また、かなりの人が普通に英語を話します。また英語を話す事に全くためらいが有りません。これもかなり、外国人的には心持ち楽です。
またご存知の通り、他の国では許されないような事も許しているオランダはとても自由度の高い国でもあります。それはそれぞれ個人に自由をあたえることにより、その分責任もしっかりととることを求められています。たとえば電車にしても日本のようにバリケードのような改札口はなく、ちゃんと買っているという前提で、ゆるい改札口が有ります。もちろん見つかったときには重い罰則があります。こうしてオランダの人たちは必然的に自己責任を課されているのです。
音:衣・食・住ときたら次はもちろん音。オランダは前述したように多くの人がバイリンガル、もしくはトリリンガル以上でオランダ語と英語を公用語としています。そのため、もちろん自国の音楽はあるようですが、洋楽に対してオープンで、JAZZやSOULといったジャンルは日本よりはよっぽど受け入れられやすい土壌が有ります。自国でリリースをするアーティストも大半が英語だそうです。またどのアーティストも口を合わせていうのですが、オランダは国内でどれだけすごい事をしたアーティストよりも、実力は関係なく海外から来たものに重きを置くそうです。
それでは本題に。
教育と音楽の密接な関係がアーティストを支える
オランダの音楽はなぜこの少ない人口にも関わらずレベルの高さを誇るのか、其の一つの答えとして、発達した音楽教育機関があります。現地の人に聞くところによると、Conservatory(コンサーベトリー)という音楽学校である教育機関が国内に30箇所以上もあります。うろ覚えなのですが、たしかドイツかベルギーには2箇所しかないと聞きました。こう考えるとオランダの30個はかなりの数ですね。僕が出会ったアーティスト達はほぼこのConservatory出身でアーティスト活動を続けながらこのコンサーベトリーで、授業を持ったり、プライベートレッスンをしています。またアムステルダムやロッテルダム周辺にあるヴェニューも音楽に溢れ生演奏が聞ける場所が多く、日々ジャムセッションが繰り広げられています。そのギグやセッションの大半がコンサーベトリー出身者によって繋がっているのです。
アーティストを支える理想的な仕組みを国、町がもっている、素晴らしい環境と言えます。
独立精神とアーティスト達の強い絆
オランダのアーティスト達はとてもインデペンダントである。
ぼくはこう言い切りたいと思います。やれることはとにかく自分でやる。という精神が根底から有るような気がします。僕たちがディールをするアーティスト達はどの人たちもマネージメントがついていてもおかしくないレベルに有りつつも、個人でばりばりやっている人が多いです。もしかしたらアーティストよりも、音楽ビジネスを志したりマネージメントを志す同世代の人々が日本と同様に少ないという事実もあるかもしれませんが、「自分でやる」”Do It Yourself”精神がかなり根付いています。
この精神はアーティストを支える回りの人たちも同様でおそらくオランダという国が持つ一つの人格なのではと思います。
Shirma Rouseはその一人であり、日本にも実はキャンディー・ダルファーのバックアップシンガーとして来日していますし、グレゴリー・ポーターやタニア・マリアといったみなさんがあっと驚くようなアーティスト達とも関係を持っています。
今回のオランダ渡航はShirma Rouseにお願いして、とあるプロジェクトを実現するために現地に来ました。彼女にお願いした経緯は、SSRからリリースした彼女のファーストアルバムがレーベルにおいても、市場においてもとても評価が高く、彼女が実現した音が今回のプロジェクトにばっちりあったためです。つまり、作曲・作詞、レコーディングやミックスまで全てにおいてレベルが高く、非常に興味を持ったのです。
Shirmaに直接いろいろとお願いをしたので、全ての物事がとてつもないスピードで進みました。またアーティストと、とても近いところで仕事ができました。いつも日本で仕事をするときはどうしてもレーベルは法人であり、なんとなくミュージシャン、アーティストと隔たりが出来てしまうのですが、それを完璧にとっぱらってコミュニケーションをとれたことが一番僕にとって新鮮な取り組みでした。
オランダは1700万人しかいない国。世界中でバックアップボーカルとして素晴らしい音楽を聞いていたShirmaにとって、良い人を国内で探すのはとても難しかったそうです。ただ偶然にも、Budyという素晴らしいエンジニアに出会えたことで僕も愛してやまない、Chocolate Coated Dreamsが出来上がったそうです。
良いプロダクトを創るには、アーティストだけの力では実現する事が出来ません。僕たちにニラジ・カジャンチのような素晴らしいエンジニアがいてくれる事と同様に、彼らもまた素晴らしい人々に恵まれています。
今回一緒にレコーディングに挑んだエンジニアBudyはもともとはミュージシャンであり、ミュージシャンとして日本にも来た事が有るそうです。そしてShirmaやSecret Rendezvousの音源のレコーディングやミックスを手掛けたエンジニアです。
彼はRussell ElevadoというAlicia KeysのFallin’やD’AngeloのVoodooや最新アルバムのミックスをしているエンジニアと一緒に作品創りをしているオランダの隠れスーパーエンジニアとでもいいましょうか。先日もクリス・デイヴと一緒にレコーディングをしたそうです。。
「自分がとりたかった音をオランダでは誰も録る事が出来なかった。だから自分でスタジオを始めてとるしかチョイスがなかったんだよ。」
とあっさり語ってくれましたが、自宅にスタジオを自分で創り、エンジニアをするなんてそんな簡単じゃないと思うんですよね。そのクリエイティブな才能はスタジオの各所に現れています。シンガーソングライターであり、Budyの奥さんであるiETが一緒にプロデュースをしています。
自宅スタジオ2階。いろんなミュージシャン、関係者がここにあつまってわいわいします。
自然光がたっぷり入るスタジオ。
おいてあるアイテム達が、まるでフォトスタジオのようにお洒落です。町並みもとてもお洒落なのですが、いい音楽は聞く事に限らず、見る事によっても 培われているのだと思います。こういったつながりがシーンをささえています。
個々の強いインデペンダント精神をもっているからこそ、交わったときにはマジックがおきる。
まるで、厳しい環境で育ったトマトが甘いように、オランダのアーティスト達は、常に自分たちで工夫を重ね、センスを研ぎすまし、良いものを創り上げるのです。その研ぎすまされた個々が交わった時、非常にレベルの高いものになります。実際ShirmaがBudyと出会ったのもここ何年かの話で、お互い知り合ったときにはものすごいスピードで打ち解け合ったそうです。スタジオワークをみていても、Shirmaはロジックを操作し、Budyはボーカルコーチも行います。ほぼ全員が音楽において高水準の知識を持ち、同じ言語、同じレベルで話しているため、コンフリクトはおこらないのです。
この人口の少ないオランダで自分の資本とコネクションだけで自分の創りたいもの、一緒にやりたい人を探すのはとても難しいのではないかと思います。
でもマイノリティだからこそ、共鳴し合ったときの絆は強い。
これは僕たちがやっていることにも同じ事が言えますね。どうしても商業的なことを考えると、マスへのアプローチを考え音楽やアーティスト性さえ変化をさせなければいけないのが世の音楽ビジネス。僕たちのコンセプトは、マイノリティでも世界規模であれば、いっぱいでしょ!という考えです。時間はかかるだろうけど、それが一つのカタチになれば、絶対にまねが出来ないものになる。
そして其の新しいリアクションが既にオランダでもおこっています。
写真の手前はSacha VeeとShirma Rouse。ほかにもRaynやSecret Rendezvous、BudyやiETといったオランダにいるアーティスト達が、僕らのために駆けつけてくれました。また僕らを通して、国内でもつながりがなかったアーティスト同士をコネクトすることができました。SWEET SOUL RECORDS MEET UP in the Netherlands です。
今回のオランダ渡航では、音楽に携わる人間として、本当に学ぶ事が多い旅となりました。また音楽カンファレンス、MIDEMの報告も続々として参ります。最後に体調を崩して、もう若くないんだぞとマイケルにいわれつつも、若さをアピールできる写真にて失礼します。(写真はブレ気味です。)
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