「山内さんはアイドルをプロデュースすればいい!はやりだからね!」

というアドバイスを頂きまして、SWEET SOUL RECORDSが

アイドルグループをプロデュースしたらどうなるか考えることがありました。

 

「AKBについてはどう思いますか?」ともよく聞かれます。

実際に2年ほど前に秋葉原で行われたライブにいった事もありますが、

レベルの高いエンターテインメントでした。

演出も、衣装も、空間も一流だったと思います。

全く詳しくない僕でも楽しめたのはしっかりと

ターゲット外のユーザーにも訴求力がある商品ができてるということ。

そしてマネージメントの方もアーティストをとても大切にしていらしゃいます。

生態系が出来て、回りにそれを愛する人がいる。素敵です。

それ以外にはなにもありません。

 

そんな簡単じゃないですよ?

アイドルグループを僕たちがビジネスとして扱うこと、

まずその音楽にもマーケットにも詳しくなければいけない。

詳しくなるには、勉強しなければいけない。

勉強してなんとかなるんだったらみんなやっている訳で、

今だからこそ成功しているビジネスだと思うのですが、

業界の大御所のプロデューサーの方が何年も培っていたノウハウを

存分に使って成立させたモデル。初期投資半端ないですよ。

それをやればいいじゃんって言ってる人、ライブいったことありますか?

裏方の仕事みたことありますか?めっちゃくちゃ大変なはずですよー。

 

そしてなによりこのタイミングでの参入は競合が多すぎるし、ノウハウもないし

ビジネス的に正直チャンスないと思います。

 

ジャンルを変えれば成功するの?

「とにかくじゃあ、なんでもいいからジャンルを広くやりなよ!ロックとか」

っという返しが来ます。たしかにパイは広がる。

リリースが増える分、売上も多少あがるかもしれません。

 

なにが成功なのかという定義もあるんですが、

専門レーベルとして認知されているレコード会社が

突然ジャンルを変えた時のデメリットいっぱいあります。

 

ジャンルを変えたら店舗の担当バイヤーさんも変わるし

営業も一からやり直し。3年間積み上げて来た事が

基本ほぼパァになるって考えた方がいいです。

 

そして僕たちのような新米レーベルは

ただでさえ信用がない上に、同じようなレーベルがいる中、

なにも特徴がないことにどんな訴求力がうまれるのでしょうか。

僕たちはいまやってることでまずは1位をめざさなければいけないのです。

 

そして得意な事をやる。アーティストにとっても、

まったくロックの知識や愛がない人がその音楽を扱う事って

幸せなのでしょうか?

 

そこに志はあるのか?

我々SWEET SOUL RECORDSに集まる人間はみんな音楽が大好きです。

そしてなにより、アーティスト・クリエイターが大好きです。

一人一人のアーティストと直でやり取りをし、

彼らの人間性、音楽を大事にリリースをしています。

無感情にビジネスをする事は僕たちにとって意味が有りません。

 

売れることを最優先に本人が望めば、もちろんその方向性を検討しますが、

望まれない限り、音楽自体にビジネスエゴを入れないスタンスを続けています。

僕たちはビジネスのために音楽自身をひんまげたりすることは

良くないと思っています。

 

アーティストが持つ、そのままの芸術性を楽しんでいただける人達を

ちゃんと探して、より楽しんで頂けるように情報を付加し

音楽の楽しみ方を提案する事。それを成立させて成功させる事が、

大事な事だと考えています。

 

ビジネスのためにはSOULが好きなアーティストにアイドルになれ!

とかアイドルにしちゃえばいいじゃん!と平気で言う人、

ぜひうちレーベル以外の方々に提案してみてください。

そしてこんな素敵な曲をきいてアーティストの気持ち考えてみてください。

http://www.youtube.com/watch?v=YPvqxpVz1W8

 

 

何を目指しているか?

ビジネスはビジネスである。そんな風に割り切って仕事をする人もいるでしょう。

儲かれば別に何でも良い。そう思っている人もいると思います。

でももし僕たちが社会に必要な使命を意識しつつ、ビジネスもうまくいって

ただ儲かるだけではなく、社会的に意味があることができれば

それにこした事はないとおもいませんか。

 

ボランティアで。という意見もたまに頂きます。

無料奉仕。無料、無料、無料。なんでも無料にすることが

果たして社会を良くしていくのでしょうか。

 

僕たちがまず目指すところはアーティスト、レーベルがしっかり継続できる生態系をつくること。

 

僕たちは音楽によって出会い、音楽に助けられ、音楽から学びます。

人生における一生涯の師のような存在の音楽には嘘つけません。

無感情にビジネスだけを考えるんだったら、自分でレーベルをやりません。

わざわざ風前の灯の音楽業界にも参入しません。

愛があるからなんとかしたい。志があるからあえて難しい事に挑戦して

それを解決する事に使命を感じているのです。

 

僕たち得意な領域であり、応援しなければいけない人達の好きな音楽が

マイノリティであるということは事実です。

 

なかには賛成出来ない人もいるし、理解をして頂けない方もいると思います。

 

 

最後に

音楽はファッションである。はやりすたりがあると考える人も多くいると思います。

 

そんな世の中でも、僕たちは100年でも、1000年でもいつ聞いても、

かわらず良いものを常に提案し続けたい。

 

そして商業的な理由で音楽自体を変える事なく、多くの人に楽しんでもらう

方法を僕たちが創出する方法を目指して進んでいきます。

 

SWEET SOULがアイドルを手掛けられない理由、

十分伝わったことを願っています。

 

でもちょっとまて!こんなアイドルはやりたいぜ!!!

http://www.youtube.com/watch?v=aUp1enxZmWU

 

 

SONG RAYN SWEET SOUL RECORDS

渋谷で本当に音が好きなひとが集まるクラブ箱の代表としてFamilyがあります。

渋谷の黒い音の文化をつくっているプラットフォームであり、

シーンの仲間が集まりミュージシャンやアーティストやクラブを運営する人が

全員同じ目線で仲間意識を持って活動をしている

相互的な生態系が出来ているようなイメージがあります。

 

Familyの高山さんとはDJ HIROKINGを介して紹介して頂いたのですが、

TOKYO SOUL DRIVEをなれないKitsuneでやった時に二人で超重い機材達を

何度も往復して搬入した仲間です笑

そしてなによりも、SWEET SOUL RECORDSのことを応援してくださっていて、

始めてお会いした際にはAlohaの7inchを既に持っていらっしゃって感動しました。

SSRの音と高山さんのご趣味がばっちりとのことで、嬉しい限りです。

 

そんなゆかりの深い、Familyさんとのコラボレーションが実現です。

SWEET SOUL RECORDSはレコード会社であり、

マネージメント会社やイベント会社のようにライブはあまり得意としていないんですが、

こうやって高山さんが素晴らしい機会をつくって下って

SWEET SOUL RECORDSからリリースしたアーティスト達が

日本でライブをできることになりました。

 

さてさて、本題です。

TOKYO SOUL DRIVEラヴァーズならもちろんご存知のこの二人!

RAYN

Rayn!! 前回日本に来てくれた時は、浅草に案内しました笑

そしてオランダに僕が行った時には、

愛車のワーゲンでいろんなところにつれてってくれました。

僕は個人的に彼のWe Got Loveが大好きで、

ダニー・ハサウェイ+マイケル・ジャクソンを2でわったような

おいしさを感じさせてくれるのと

不可能なことを可能にする彼の心の声を感じる事が出来ます。

 

 

SONG

そして、SONG! 彼女は世界中を飛び回って、パリでも活躍をしていたアーティスト。

彼女の心の豊かさがライブではミュージシャンに最高の起爆剤になり、

とんでもないケミストリーがおきます。だからそれが本当にたのしみ。

WORLD SOUL COLLECTIVEに収録される曲は、ご存知Guruのフィーチャリングです。

 

詳しいライブ情報はSWEET SOUL RECORDSのオフィシャルサイトを是非ご覧下さい!

3月31日と4月29日、二本立てでおこなわれます!

お時間のある方は是非いらっしゃってください!

RaynとSongの来日公演詳細はこちら

 

今週の水曜日、3月13日ライフサウンド株式会社はついに5歳になりました。

 

当日は朝起きた時から、いままでのエピソードが頭を巡り、

そしてこれまで関わってくださったみなさんのお顔を思い出しました。

5周年を迎えられた事を、とても嬉しく感じる事が出来ました。

 

同年代の優秀な起業家仲間達にくらべたら僕なんて下の下くらいですが、

現在一緒に仕事をしている仲間達は最高のメンバーです。

本当に個性豊かなメンバー達と出会い仕事ができている事が幸せです。

 

いままでの皆様のご支援を心より御礼申し上げます。

 

ライフサウンドは現在約10名のメンバーがおりますが、

みんな、音や写真やデザインといったクリエイティブ(創造物)を通じて繋がっています。

 

そしてライフサウンドは社名の通り、大半が音でつながっていたりします。

たとえば写真に映っている取締役の小蔵さんはぼくの大学時代のバンドメンバーであり、

さっちゃんはリトルソウルカフェというソウルバーの宮前さんにご紹介頂いたり、

ひよりはFRGというMCを通じて繋がっています。

 

音やデザイン、様々な創造物達はそれを単一で楽しむ機能だけではなく

人をネットワークしてしまう力もあると、みなさん知っていましたか?

なにかをゼロから創りそれを表現する人がいなければ

僕たちは繋がってなかったかもしれません。

 

だからこそ、僕たちはクリエイター、アーティスト達の活躍の場を創りたい。

彼らの活躍から始まる無限の可能性達が社会をより良くすると考えているからです。

 

決して、全てがうまくいっているとは言えない現状もあるのですが、

ミッションである、多彩なライフスタイルの実現に少しでも貢献できていると

胸を張って言う事が出来ると思います。

 

これも偏に、皆様のお力添えがあったからこそ成し得た事です。

そしてアーティストにも支えられています。以前ご紹介したオランダ出張で

リアルに出会い、SWEET SOUL RECORDSからEP『 New Day 』リリースをしている、

Mary Davis Jr.がこんな動画をつくってくれました。

 

本当に色々な方に支えられて、感謝しきれないくらいです。

イベントというカタチで、この感謝の思いを表現させて頂きたく思います。

 

参加アーティスト達のライブがあることで会場との都合上、

チケット制とさせて頂きましたが、お越し頂いた際には

少ないですが軽食やスペシャルノベルティ、

そして澤田かおりとNao Yoshiokaのライブ

西崎信太郎氏やneco DJがつくる最高の音の空間

須田卓馬さんによる写真などクリエイティビティに溢れた空間をみなさんにご提供します。

 

子供連れの方もこれるようにスペシャルスペースも設けております!

 

そしてシークレットDJは2名!イニシャルでN.Y.が一人、みなさんご存知DJの王様が緊急参戦です笑

18時から22時という長い時間ですので空間をたのしみつつ、

ゆっくりお話が出来ると幸いです!

 

たくさんの皆様に既にご予約頂いておりますが、

当日を最高に楽しむためにきわめて個人的なまとめ。

 

  • 比較的お洒落目に来る。集まるひとみんながお洒落だとあがります。
  • 山内にたかる:JZのシステム上、自分でドリンク購入なんですが、もちろん御馳走しますのでたかってください。
  • DJ達はみなさんイケメンが多いです。
  • DJタイムは:音と雰囲気と会話を楽しんで下さい。僕も積極的にみなさんに話しかけ、いろいろつなぎます。
  • 2ライブは絶対に見逃せない:ライブを絶対に見た方がいいです。2回に別れています!
  • ノベルティ素敵です。
  • 軽食:量が少ないので早めに来てください。。。ごめんなさい。
  • 社員にはなしかける:みんな変態ですが、はなしかけたらいろんな意味で発見があり楽しいと思います。
  • サプライズ:あるかもしれません。

 

スペシャルノベルティは音楽会社らしく”アレ”なんですが、

この5周年のためだけにつくられ、会場だけでご来場さまに配られます!

すけはる君がこのためだけにつくってくれた特設サイト、是非ご覧下さい。

 

 

 

さて重要な事は書きましたので最後に

5周年を迎えて自分の学んだ事、5年後自分が振返りたいという欲も含め

タイムカプセル的に感じた事を少しだけここに書かせてください。

いろいろあるのですが、特に覚えておきたいこと3つ。

5年後の自分にリマインドしたい事。

 

1.まず、運が良かった。自分がおかれている環境がなんのために

与えられているか?絶対に忘れない事。※ちょっと意味不明且つ、スピリチュアルですみません。

 

2.自分の長けている事は常にいろんなことを同時並行で進められることであり、

志は一つでもそのアウトプットは色々なカタチがあるということ。

一つの事業に集中せずに、3つ同時に平行させている事で

3つ以上のビジネスモデルを一気に体験する事が出来ました。

B to Bの受託サービス、施設投資ビジネス、製品開発、流通などなど

音楽とインターネット制作とスタジオ運営から学び、

実践しながら学んでいく事。これからはこの経験から出た結論を

すべての仕事にフィードバックしていくことが大事。

 

3. ベンチャー精神を絶対に忘れない事。

自分が真の起業家ではなかったとしても、

何年経ってもマインドは常にベンチャー精神を持つ事。

業界のマナーに染まってしまったり、

ルールや歴史に縛られない

常に革新的なアイデアやマインドで既存の固定観念をぶちこわしていく事。

 

きわめて個人的なリマインダーになりましたが、

きっと一緒にお仕事をしている人であれば、なんとなく

わかってくれるような気がします。

 

ということで明日、お会い出来る事を心から楽しみにしております!

本日はパリからブログを書いております。MIDEM終了後、カンヌからパリに移動してから3日間、体調をすっかり崩しまして、今日やっとPC復帰する事が出来ました。MIDEMの様子なども追ってブログにアップしていきますが、忘れないうちにオランダの素晴らしい音楽シーンについて書こうと思います。

 

SWEET SOUL RECORDSから既に6タイトルものオランダ人のアーティストがリリースをしています。

Shirma Rouse

Secret Rendezvous

Mary Davis Jr.

Rayn

Ntjam Rosie

Sacha Vee(発売はNew zealand )

明らかにオランダは良質な音楽が生まれている国と言えます。

アーティスト性ももちろんなのですが、アーティストを取り巻く人たちのクリエイティビティやレコーディングの質の高さなども僕たちが現在付き合っている15カ国のアーティスト達と比べても高水準にいると言えます。しかし統計的なデータを考えると人口はたったの1700万人。僕にとってオランダは本当に興味深い国であり、今回こうして訪れる事によってその真相を知る事が出来ました。

おそらく僕がここに書くオランダはこの旅を通じて最もクールな人たちと出会い、その一部を垣間みたことを断片的にかくことにすぎません。でもそこにきっといろんな答えを見出せるはずです。

 

オランダってどんな国?

ここ最近海外に行った中で僕はオランダが最も気に入りました。オランダの後にフランスになんて来てしまうと、正直嫌でたまりません。。僕の印象はこんな国です。

衣:アムステルダム、ロッテルダムみなさんお洒落です。もちろん僕が会ったアーティスト達はみんなとってもお洒落でした。素敵な雑貨屋を発見したのでここに写真で紹介。

食:オランダ料理っていうのは食べてないんですが、Shirmaにつれていってもらったレストランは全部◎でした。

飲み物が安い!ビールは2ユーロとかで飲めます。

住:椅子が高い。トイレの椅子さえ高い。さすが平均身長180cm以上。。衛生的で町も駅も綺麗です。海外の人に対してオープンな印象を受けます。交通機関は非常に発達していて、PASMOのようなシステムがあります。そして驚いたのは行く場所ほぼ全てにWIFIが飛んでいて、ネットに困りませんでした。町並みもだいぶ素敵です。また、かなりの人が普通に英語を話します。また英語を話す事に全くためらいが有りません。これもかなり、外国人的には心持ち楽です。

またご存知の通り、他の国では許されないような事も許しているオランダはとても自由度の高い国でもあります。それはそれぞれ個人に自由をあたえることにより、その分責任もしっかりととることを求められています。たとえば電車にしても日本のようにバリケードのような改札口はなく、ちゃんと買っているという前提で、ゆるい改札口が有ります。もちろん見つかったときには重い罰則があります。こうしてオランダの人たちは必然的に自己責任を課されているのです。

音:衣・食・住ときたら次はもちろん音。オランダは前述したように多くの人がバイリンガル、もしくはトリリンガル以上でオランダ語と英語を公用語としています。そのため、もちろん自国の音楽はあるようですが、洋楽に対してオープンで、JAZZやSOULといったジャンルは日本よりはよっぽど受け入れられやすい土壌が有ります。自国でリリースをするアーティストも大半が英語だそうです。またどのアーティストも口を合わせていうのですが、オランダは国内でどれだけすごい事をしたアーティストよりも、実力は関係なく海外から来たものに重きを置くそうです。

 

それでは本題に。

 

 教育と音楽の密接な関係がアーティストを支える

オランダの音楽はなぜこの少ない人口にも関わらずレベルの高さを誇るのか、其の一つの答えとして、発達した音楽教育機関があります。現地の人に聞くところによると、Conservatory(コンサーベトリー)という音楽学校である教育機関が国内に30箇所以上もあります。うろ覚えなのですが、たしかドイツかベルギーには2箇所しかないと聞きました。こう考えるとオランダの30個はかなりの数ですね。僕が出会ったアーティスト達はほぼこのConservatory出身でアーティスト活動を続けながらこのコンサーベトリーで、授業を持ったり、プライベートレッスンをしています。またアムステルダムやロッテルダム周辺にあるヴェニューも音楽に溢れ生演奏が聞ける場所が多く、日々ジャムセッションが繰り広げられています。そのギグやセッションの大半がコンサーベトリー出身者によって繋がっているのです。

 

アーティストを支える理想的な仕組みを国、町がもっている、素晴らしい環境と言えます。

 

独立精神とアーティスト達の強い絆

オランダのアーティスト達はとてもインデペンダントである。

ぼくはこう言い切りたいと思います。やれることはとにかく自分でやる。という精神が根底から有るような気がします。僕たちがディールをするアーティスト達はどの人たちもマネージメントがついていてもおかしくないレベルに有りつつも、個人でばりばりやっている人が多いです。もしかしたらアーティストよりも、音楽ビジネスを志したりマネージメントを志す同世代の人々が日本と同様に少ないという事実もあるかもしれませんが、「自分でやる」”Do It Yourself”精神がかなり根付いています。

この精神はアーティストを支える回りの人たちも同様でおそらくオランダという国が持つ一つの人格なのではと思います。

Shirma Rouseはその一人であり、日本にも実はキャンディー・ダルファーのバックアップシンガーとして来日していますし、グレゴリー・ポーターやタニア・マリアといったみなさんがあっと驚くようなアーティスト達とも関係を持っています。

今回のオランダ渡航はShirma Rouseにお願いして、とあるプロジェクトを実現するために現地に来ました。彼女にお願いした経緯は、SSRからリリースした彼女のファーストアルバムがレーベルにおいても、市場においてもとても評価が高く、彼女が実現した音が今回のプロジェクトにばっちりあったためです。つまり、作曲・作詞、レコーディングやミックスまで全てにおいてレベルが高く、非常に興味を持ったのです。

Shirmaに直接いろいろとお願いをしたので、全ての物事がとてつもないスピードで進みました。またアーティストと、とても近いところで仕事ができました。いつも日本で仕事をするときはどうしてもレーベルは法人であり、なんとなくミュージシャン、アーティストと隔たりが出来てしまうのですが、それを完璧にとっぱらってコミュニケーションをとれたことが一番僕にとって新鮮な取り組みでした。

オランダは1700万人しかいない国。世界中でバックアップボーカルとして素晴らしい音楽を聞いていたShirmaにとって、良い人を国内で探すのはとても難しかったそうです。ただ偶然にも、Budyという素晴らしいエンジニアに出会えたことで僕も愛してやまない、Chocolate Coated Dreamsが出来上がったそうです。

良いプロダクトを創るには、アーティストだけの力では実現する事が出来ません。僕たちにニラジ・カジャンチのような素晴らしいエンジニアがいてくれる事と同様に、彼らもまた素晴らしい人々に恵まれています。

今回一緒にレコーディングに挑んだエンジニアBudyはもともとはミュージシャンであり、ミュージシャンとして日本にも来た事が有るそうです。そしてShirmaやSecret Rendezvousの音源のレコーディングやミックスを手掛けたエンジニアです。

彼はRussell ElevadoというAlicia KeysのFallin’やD’AngeloのVoodooや最新アルバムのミックスをしているエンジニアと一緒に作品創りをしているオランダの隠れスーパーエンジニアとでもいいましょうか。先日もクリス・デイヴと一緒にレコーディングをしたそうです。。

「自分がとりたかった音をオランダでは誰も録る事が出来なかった。だから自分でスタジオを始めてとるしかチョイスがなかったんだよ。」

とあっさり語ってくれましたが、自宅にスタジオを自分で創り、エンジニアをするなんてそんな簡単じゃないと思うんですよね。そのクリエイティブな才能はスタジオの各所に現れています。シンガーソングライターであり、Budyの奥さんであるiETが一緒にプロデュースをしています。

自宅スタジオ2階。いろんなミュージシャン、関係者がここにあつまってわいわいします。

自然光がたっぷり入るスタジオ。

おいてあるアイテム達が、まるでフォトスタジオのようにお洒落です。町並みもとてもお洒落なのですが、いい音楽は聞く事に限らず、見る事によっても 培われているのだと思います。こういったつながりがシーンをささえています。

個々の強いインデペンダント精神をもっているからこそ、交わったときにはマジックがおきる。

まるで、厳しい環境で育ったトマトが甘いように、オランダのアーティスト達は、常に自分たちで工夫を重ね、センスを研ぎすまし、良いものを創り上げるのです。その研ぎすまされた個々が交わった時、非常にレベルの高いものになります。実際ShirmaがBudyと出会ったのもここ何年かの話で、お互い知り合ったときにはものすごいスピードで打ち解け合ったそうです。スタジオワークをみていても、Shirmaはロジックを操作し、Budyはボーカルコーチも行います。ほぼ全員が音楽において高水準の知識を持ち、同じ言語、同じレベルで話しているため、コンフリクトはおこらないのです。

この人口の少ないオランダで自分の資本とコネクションだけで自分の創りたいもの、一緒にやりたい人を探すのはとても難しいのではないかと思います。

でもマイノリティだからこそ、共鳴し合ったときの絆は強い。

これは僕たちがやっていることにも同じ事が言えますね。どうしても商業的なことを考えると、マスへのアプローチを考え音楽やアーティスト性さえ変化をさせなければいけないのが世の音楽ビジネス。僕たちのコンセプトは、マイノリティでも世界規模であれば、いっぱいでしょ!という考えです。時間はかかるだろうけど、それが一つのカタチになれば、絶対にまねが出来ないものになる。

そして其の新しいリアクションが既にオランダでもおこっています。

写真の手前はSacha VeeとShirma Rouse。ほかにもRaynやSecret Rendezvous、BudyやiETといったオランダにいるアーティスト達が、僕らのために駆けつけてくれました。また僕らを通して、国内でもつながりがなかったアーティスト同士をコネクトすることができました。SWEET SOUL RECORDS MEET UP in the Netherlands です。

今回のオランダ渡航では、音楽に携わる人間として、本当に学ぶ事が多い旅となりました。また音楽カンファレンス、MIDEMの報告も続々として参ります。最後に体調を崩して、もう若くないんだぞとマイケルにいわれつつも、若さをアピールできる写真にて失礼します。(写真はブレ気味です。)