高い志を持って励むこと -グラミーのその先に-
10月も後半にささしかかります。今年もあと2ヶ月足らず。
今日は今回のグラミーの挑戦の途中経過報告です。
ここで改めて、クラウドファンディングでの皆さんの応援が本当に励みになっています。
本当にありがとうございます。
グラミー途中経過について
9月25日からついに、最初の投票期間が始まり、Naoも14,000人いると言われる投票会員として投票を完了し、先日10月10日に投票は締め切られました。
今年はアメリカへの渡航が、例年より極めて多くなりました。
Naoが移住をしたこともありますが、ノミネート獲得するための行動を促進させました。グラミーの仕組みを知り、様々なリサーチをし、知識を習得することができました。
本来グラミーは取るものではなく、自然に受賞するものとお考えの方もいるとは思います。しかしリサーチを進めれば進めるほど、そこには様々な仕掛けや強豪たちの戦略、やらなければいけないことがあると改めて学ぶことがあります。
ご存じの方もいると思いますが、僕たちは2年前から着々と準備を始め、まずは2016年にグラミーの投票メンバーとしてNaoが正式にグラミー会員となり、2018年には2016年に日本でリリースをした”The Truth”でアメリカでマーケティングをし、グラミーに初投稿をしました。
グラミーを目指す!と口で言うのは簡単なのですが、目指したところでノミネートに近づくことはできません。
作品をまずは投稿するだけでもまだ甘く、様々なハードルがあります。最初の投票、1st Round Voting に残る前に、大規模なスクリーニングがあり、実際にグラミーの組織が音楽をチェックして、カテゴリーにそぐわないものは振り落とされることを、この”The Truth”の実験で知りました。
また投稿にはかなりの労力が必要で、一定期間内に必要な情報を記入し、場合によってはロサンゼルスの本部に、フィジカルデータの送付も必要になります。
この実験を経て今回があります。
1st Round Voting通過
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今年も晴れてアメリカ最高峰の音楽賞グラミーアワードの1st Round VotingにNaoのアルバムUndeniableがエントリー。
R&Bという特殊なカテゴリー。ほぼアフリカン・アメリカンたちが専有する市場の中で、アメリカの超メジャーアーティストと方を並べ、Naoが着実にエントリーに参加をしました。
2回目になっても、まずはこのリストに並んでいることはとても特別な気持ちさせてくれます。
しかし今年はここで満足はしていけない。
今年はこれを見越して、投票を獲得するために自分なりに考え、様々な施策を実行しました。
昨今の受賞を見ていると、あたりまえですが大半がメジャーアーティスト。そもそもそれは財力の違いはもちろんですが、政治力、マーケティング力、様々な意味で僕らのようなインディペンデントに勝る要素はたくさんあります。
そんな中でも、このグラミーアワードの良いところはインディペンデントアーティストにも小さいけどスペースが有る。音楽が良ければ検討してもらえる余地がある。
この1st Round Votingの投票結果を踏まえて、特別審査委員会による審査がこれより始まります。もうすでに始まっているのかもしれません。こちらは非公開の日程、場所で随時ジャンルごとにグラミーが選出した投票券を持つ審査員たちが音楽を聞いて審査をしていきます。
この特別審査員の審査に入っているかどうかは僕らにはもうわかりません。
ただ今年は指を咥えて見るしかない状況から、審査会にNaoのアルバムが入っていると見越して、やるべきことを知っています。
グラミー攻略のために
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今回クラウドファンディングで、公言をしてでの挑戦となったわけですが、その当時は正直かなりの不安を感じていました。まだまだリサーチが浅く、明確に自分自身がノミネートに向けてできる行動プランが、1st Round Votingに乗る以降になかったのです。
そして当時自分が話を聞く多くの人たちが
「グラミーは音楽というよりポピュラリティコンテストだ」
という話をすることが多く、つまり認知度で決まるという話です。
「結局投票をする際に、リストから有名な人をとりあえず選ぶだけだろ?」
この議論については、正直間違っているとは感じませんでした。
認知度をとっていくための仕事はあまりしてきませんでした。それは日本でもアメリカでも。
音源3割、マーケティング7割の世の中であえて、比率を音楽に寄せて作ってきました。メジャーとなると、音楽が3割だとしても予算の桁が違うと思うのですが、僕たちはあえてマーケティング重視の音楽性から脱却をしてきました。
それはご存知だと思うのですが、音楽をやるために活動をしているわけであって、マーケティングをするために音楽を作っていないからです。
認知のみの勝負ならば目指すものではなく?そもそもこちらでいろいろ対策をして取れるものではないのではないか?
「いったいどうすればいいのか・・・・」
Naoには逆境であると感じていました。それはNaoが渡米をしてアメリカでのキャリアがまだ浅く、アメリカでの広い層への認知は取れていない。
そしてグラミーはテレビから想像すると、極めてコマーシャルなもの。なので認知度で決まるという話ももちろん、間違っていないとは思います。
ただ僕たちが実際にグラミー賞の式典に参加してみたものは、テレビには映らない、アメリカのミドルグラウンドで活躍する素晴らしいヒーローたちでした。
「きっとなにか方法がある。」
制作を一段落終えてからこの状況の打破が始まりました。
まず認知をとる対象について考えました。ここで使う認知は一般的な認知ではなく、完全にターゲットがいることを思い出します。グラミー会員は約30,000人。そのなかでも投票券を持つメンバーは14,000人と言われています。
そのなかでもR&Bに投票をするのはこの中でも限られたメンバー。
この14,000人の属性、投票会員になるための条件を満たした人です。その条件とはリリースをしていて、しっかりとしたクレジット情報があるアーティスト、またはエンジニア、ミュージシャンなど。つまり音楽家が対象となるということです。
グラミー賞とは、いうなれば消費者投票ではなく、音楽のプロ、アーティストたちが選ぶ賞なのです。
Naoの対象カテゴリー、つまりR&Bカテゴリーの過去の受賞歴をさかのぼりました。かなりテクニカルになりますが、受賞者のソーシャルプレゼンス、ストリーミングの再生回数など調べていきました。
この中には多くはないですが、認知が一般的にされていないが素晴らしいアーティストもちらほら見受けられたのです。
単純に認知を取るよりは、圧倒的にハードルは下がり希望を感じました。
こういったブレイクダウンを積み重ね、とにかく”Undeniable”が音楽家たちに伝わるように色々と施策を考えました。
この経験で得たものとは
施策を実行するうちに着実に近づいている実感と、可能性があることも体感することができました。こういった作業をしていく中で、多くの学びがありました。そして、様々な人に出会いアドバイスを貰うことができました。
これを通してNaoのアーティスト活動におけるいろいろな部分を見直すことになりました。
結果、毎週ブッキング依頼や、出演、インタビューの依頼がNaoに来るようになりました。ソーシャルでのプレゼンスも上がりこういった事も踏まえ、Naoの活動は様々な角度でレベルアップをすることができました。
そして僕自身はこの活動を通して、結局何が大切かという究極の答えにたどり着きました。シンプルですが、
高い志、目標を持って常に挑戦していくこと。
グラミーを目指したことで、結果Naoの様々なプレゼンスは上がり活動にも幅が出てきました。
今回の結果はどうあれ、僕たちは着実に近づいている。それを実感することができました。
みなさんにはご支援をいただき、ご期待も頂いていると思います。その期待は本当に嬉しいものであり、がっかりさせたくないという気持ちもありつつ、感謝の気持でいっぱいです。
最初の1勝がどれだけ大変なことか、そしてその1勝を得て得られるものは大きい。ラグビー日本代表をみていてわかると思います。いまだから多くの人が熱狂、興奮して応援されている彼らの活躍も、2015年のブライトンの奇跡までの苦労、そしてそこで得た自信とともに、用意してきた今年まで、じっくりと時間をと苦労を重ね勝ち取っています。そこには多くの知られないヒーローたちの様々ストーリーが存在すると思います。
いまNaoを応援してくれているヒーロー皆さま、僕たちが勝利したときには胸を張って周りの人に皆さんのご支援があったことを伝えてあげてください。
今年のノミネーションの発表は11月20日。
グラミーを目指すことを通じて、僕たちは今とても良い精神でいます。何をすれば良いか理解をして進んでいます。なので結果はどうあれ、進んでいこうと思います。
みなさんの支援に心から感謝して。今日もSREAL REAL MUSIC!
※今回の帰国の間に、もう1記事、次回はNaoのアメリカの最近の活動について報告いたしたいと思います!
*ノミネーション発表日について10/21に日付を修正しました。10日間まちがってました。ごめんなさい!