2024年可能性に満ち溢れたNao Yoshiokaの展望を語る

2024年現在、パンデミックはすっかり終わり、音楽の世界は過去にないほどチャンスに満ち溢れているように感じます。昨年のクラウドファンディング開始と同時に書き始めたこのブログですが、文章を編集しているうちにあっという間に、クラウドファンディング終了まであと1週間を切ってしまいました。

SNSのトレンドや、映像主体の世の中になったことで、僕のブログで書いていた裏側のさまざまな出来事はNaoのYouTubeでの動画が役割を果たすようになりました。しかし、やはりこうした節目には、僕らのような彼女の周りにいるスタッフの本気度をお伝えすることが大事だと思っていますので、今回も長文で、ぜひお付き合いください。

今回のブログは昨年の総括と今後の展望について、今回のクラウドファンディングに合わせて書こうと思います。

このブログで僕らが今どれだけ可能性に満ち溢れているかを皆さんに伝わることを心から願っています。

前回の更新からあっという間に1年が経ってしまいました。最近のNaoをキャッチアップできてない方もいらっしゃると思いますので簡単に流れをここでお話しします。

パンデミック初期は喉を壊し、一度はキャリアも危ぶまれたNao Yoshiokaと僕らはライブプロダクションの強化をするため、過酷な状況の中、国内ツアーを行い、Youtubeやストリーミングを通してライブを魅せることに注力しました。このライブのコンテンツを作って残していく方針を決めて全力で挑んだ結果が、動画のバイラルにつながります。

その内容は現在クラウドファンディングをしているCAMPFIREに詳しく記載されていますので、ぜひそちらをぜひご覧ください。
【集大成アルバムと世界ツアー】世界で活躍する歌姫Nao Yoshiokaの再挑戦

また2022年のツアーの様子は前回をご覧ください。
それでも世界に希望がある -NAO YOSHIOKAイギリス・オランダ遠征レポート2022-

2022年5月、パンデミックから少しづつ日本が解放されてきた頃、対照的に完全にコロナを乗り越えたイギリスへ僕らは飛ぶ決心をします。僕にとっては2019年以来の海外渡航。

ロンドンはマスクをする人などほぼいない状況でした。その開放感に感動しつつ、ブライトンで行われた、イギリスのSoul Music最大級のフェスティバルLove Supreme Fesへ参加しました。前回訪れた際の2016年の満員公演に続き、イギリスでの成功を予感しました。
そして思い切ってロンドン公演に踏み切った12月。グレゴリー・ポーターなども過去に公演した、SohoエリアにあるPizza Expressというライブベニューでの公演をソールドアウトし、可能性を残すかたちで年を締
めくくります。

アジアでの可能性を見出す:Java Jazz Fes 2023に参戦

2023年はTokyo Funk Sessionから始まり、楽曲制作も始めつつ、5月にはNaoのキャリア初期からの夢でもあり目標であったJava Jazz Fesに招待されました。

僕自身、Youtubeで何度このフェスのErykah Baduの動画を見て、「いつかは、出演するぞ!」と思ったことか。いつもアメリカ・ヨーロッパに一辺倒だった僕たちにとってアジアという可能性があることを完全に考え直させられた出来事でした。

上の動画は僕自身が撮影して、ミュージシャンの皆さんに声をかけているシーンが多々あるのですが、今見るとミュージシャンの皆さん以上に自分自身が興奮しているのが客観的にわかり、少し恥ずかしく思うほどの内容です苦笑。

アジア最大級のフェスティバル参加。そして、アジア領域では3000以上は収容する過去最大のステージに立つことができたので、過去からずっとNaoを見てきた僕にとって当然の反応だったのだと思います。

フェスティバル会場にはアジア中からさまざまな人が集まり、Naoのファンの中には韓国から来た方、シンガポールから来た方などさまざまで、会場でNaoは多くの人から声をかけていただき、アジアでもNao Yoshiokaは浸透し始めていると実感できました。

去年はJava Jazz Festivalに続き、Blue Note Tokyoさんにお声がけいただき、Eric Miyashiroさん率いる、BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRAのゲストシンガーとしてシンガポールにも進出をしました。シンガポールの公用語は英語で、音楽はUSのヒットチャートが主流ということもあり、ストリーミング大国のインドネシアをはじめ、アジアには国際的な音楽の感覚を持つ人々が多いことを改めて把握しました。実際に見たアジアはとても魅力的で今後のツアー拠点としても期待が膨らみました。

Java Jazz Fesの後は、待ちに待ったヨーロッパツアー。憧れのJazz Cafeで僕たちを待ち受けていたのは予想以上の歓声でした。

ヨーロッパでの躍動:Jazz Cafeを満員にした感動と新しいファン達

初めてのLondon Jazz Cafeでのソロ公演で、なんと満員御礼。10年間のNao Yoshiokaとの活動を象徴するような成果となりました。

この動画のオーディエンスの様子を見ると、会場の雰囲気が伝わりますが、イントロからアンコールまで、終始声援が飛び交い会場全体は興奮状態でした。

London Jazz Cafeは、僕らのようなソウルミュージックをが好きな人間にとっては伝説的なベニューであり、D’angeloのLive at The Jazz Cafe Londonは教科書的な存在です。

思えば大学時代にこのアルバムが削れるほど聞き潰し、2016年に実際にJazz Cafeを訪問しました。いつかこの場所でワンマンをすると心に誓い、苦節9年かけて実現まで漕ぎ着けました。さらには満員で公演をできた達成感は僕たちに大きな自信を与えてくれました。

このツアーではUKだけでは留まらず、同様にデビュー当時から通い続けたオランダでもほぼ満員のステージを体験しました。オランダでは過酷な環境での数々のオープニングアクトをするなど、苦しかった思い出が多く、その記憶を全て書き換えてくれるほどファンたちの反応は純粋なものでした。

結果的にLondon Jazz Cafeは2022年のPizza Expressの約3倍のキャパでの満員、オランダもこの写真でわかるように、ほぼ満員。両会場には新しいファンたちがたくさん来場し、今後のヨーロッパでの活躍の予感を強く感じることができました。

活動11年目にして、Nao Yoshiokaのヨーロッパツアーは多くのファンたちに囲まれ、僕たちは実力でこの成果を勝ち取り、アジア、ヨーロッパ、USとグローバルステージに躍進したのです。

一連のショーの成功はやはりYoutubeのバイラル効果だと僕たちは結論づけました。ヨーロッパとアジアでの成果は、今まで頑張ってきた僕たちとってはご褒美的な感覚は十分あったのですが、僕たちをよりワクワクさせたのは、動画がバイラルした拠点がイギリスではなく、アメリカだったことです。

この流れに沿って、僕たちは世界ツアーに出るべく2024年のさらなる飛躍を考え、いよいよアルバムの制作に取り掛かることになります。

アルバム制作の意義を考える

デジタル時代において、楽曲たちはプレイリストでサクサクとスキップされたり、リスナーが能動的に楽曲を探さなくても、AIによって自動生成され、受動的に聞かれる世の中になりました。音楽プラットフォームがアーティストに求めることは、SNSの投稿と同様に、定期的かつ短期間でのリリースです。アルバムをリリースすることはこのデジタル時代ではコスト効率がとても悪く、一度に多くの楽曲をリリースすることよりも、定期的に個別で曲を出していく方がプレイリストへの掲載確率が上がり、より露出が取れるという仕組みになりました。

以前、アルバムを通して音楽を聴く慣習があった頃は、その作品を通して、音楽家とファンとの間の深いつながりを作り出す手段でした。ファンの方々はアルバムを通して、アーティストの内面や考え方を深く理解し、繋がりを持てることがアルバムの楽しみでした。その役割は音源をじっくり聞くという聴覚的な繋がりから、SNSでの視覚的な繋がりやコメントなどのインタラクション型のコミュニケーションに変化しました。

CDというフォーマットが希薄化されたように、アルバムの意味や存在意義も変化をしてきています。

音楽業界では過去からヒット曲がないアーティストは「新しいアルバムがないと宣伝・ツアーができない」というセオリーがあります。これは今でも部分的には真実です。アーティスト達にとって、大きく活躍をするチャンスはアルバムにかかっており、今だに各メディアやブッカーは新規性・話題性を求め、アルバムリリースは彼らの信頼を獲得するために、大きな役割を担います。

今回僕たちが達成したJazz Cafeを含むヨーロッパでの成功は、一つのヒット動画と今までの積み重ねがうまく交差し、新しいアルバムリリースがなくてもツアーを成功させることができる前例として、パンデミックの集大成としてとても励みになりました。

僕ら以外にも、動画がヒットし、世界ツアーに繰り出すアーティストが今は多いと思います。このような音楽の世界で、アルバム制作がどういう役割を担うかを改めて考える必要がありました。

アルバム制作がアーティストにもたらすもの、それは芸術的な表現の自由さ、作品を作る上げることでのアーティストの成長、そしてファンや業界からの信頼、そしてクリティカルアクレーム、つまりグラミー賞などへの挑戦や、批評家からの評価を受けることができることが主要な要素です。

その中でもいちばん重要なことは、それは芸術的な表現の自由さとアーティストの成長です。アルバムは音楽家にとって、自身の芸術的ビジョンを表現する手段であり、一つの曲だけではなく、アルバム全体を通してテーマや物語を展開することで、アーティストとしてのメッセージをしっかりと伝えることができます。

5thアルバムに挑む

僕たち(僕)が持っていた大きな課題

今回のクラウドファンディングで久しぶりにアルバム制作を発表しましたが、実はアルバム制作が過去一番に難航した(している)と言っても良いかもしれません。

前回の「Undeniable」から5年という長い月日が経ってしまいました。世界での旅をインスピレーションにしてアルバムを作ってきた僕らにとって、パンデミックの影響が大きかったことはもちろんですが、実はNaoのプロデュースをしてきた僕自身が音楽的に「Undeniable」をリリースしてから、Naoの音楽の方向性がこれからどうなっていくのか見えていませんでした。

その大きな原因は、自分が制作面においてやりたいと思っていたことを、やりきったからと言えます。Undeniableは僕が憧れてきたアーティストやプロデューサーとの制作を実現した作品でした。楽曲をプロデュースし、ツアーのオープニングまでさせてくれたEric Robersonやスタジオを快く貸してくれたJazzy Jeff、そのスタジオで合宿のような形でミックス作業に時間を一緒に費やしたVidal Davis。そしてフィラデルフィアの伝説のThe StudioでのLarry Goldのストリングセッション、元The RootsのクルーであるKhari Mateenとのライブセッションなど、夢のようなメンバーとの制作が実現したことによって、自分の音楽欲が一度満たされてしまった感覚がありました。

自分の憧れと音の追求を一通り完結してしまった後、僕は気づかないうちに空っぽになっていたんだなと気づきました。

2019年末から2021年まで失われた2年間、今考えればこのパンデミック期間は僕にとってもNaoにとってもリハビリの期間だったと、今は考えるようにしています。この期間、ツアーに出れなくなった音楽家達には制作をする絶好のチャンスでした。僕たちは上述の通り、ライブプロダクションの強化やビデオコンテンツの制作に励みました。

Naoは様々な小さな挑戦を積み重ねみるみると成長し、その後Tokyo2020やWaveなどシングルを完成していきました。そして2023年、初旬には海外から僕の親友でもあるプロデューサーのKhari Mateenが来日。僕たちも渡航を始め、世界での音楽活動が再開しました。海外に行ったり、新たな出会いがありここ数年の学びを改めてアルバム制作へのアイデアや希望が見え始めたのはこの頃からでした。アルバム作りに必要なストーリーやエネルギーが僕らにまた戻ってきたのです。

逆境をチャンスに変える思考

2023年で僕らのように世界での活動をする人間にとって、とても大きなトピックが為替の大きな変動でした。コロナ前は109円だったドルが150円。130円だったポンドが180円に。信じられない高騰を見せました。当然僕らにとっては渡航が難しくなります。制作の大半は海外でしていた僕らにとっては大ダメージ。しかし好機が訪れます。海外のアーティスト達が挙って、日本に来日したことによって行かなくても様々なコラボレーションができました。オンラインも充実したことや、レコーディング環境を自分達で構築したことによって様々なチャンスが訪れます。
NaoのSNSを見ていただければ、コラボレーションは予想ができるかもしれないのですが、今のシーンを代表するような素晴らしい若手アーティスト達とのコラボレーションが随時行われています。この詳しい内容はNaoのPatreonでのメンバーシップサービスのUtopiaにてすでに音源などが公開されています。
現在も日々制作が進行しており、楽曲達もバラエティに富んでいます。アルバムの詳しい内容などは2月頃にヴェールを脱いでいくと思います。

約5間年という日々が経って、制作を本格的に始めて改めて気づいたこととしては、僕たちは様々なことを乗り越え、成長しこのタイミングこそが新たなるクリエーションのスタート地点だということ。4枚のアルバムで世界中を飛び回り、ベテランから若手まで様々なミュージシャンやプロデューサーと仕事をして、多くを学び、自分が体得した感性や技術を持っていこること、ここ数年抑圧された世の中でも、もがき苦しんで学んだ考えや技術を注ぎ込むことができるのです。

現在制作真っ最中の僕たちですが、常に自分達に向き合い、妥協を許さず制作を続けています。Nao Yoshiokaのメンバーシップサービス「UTOPIA」に登録されている方にはもう一部公開していますが、今回のアルバムのテーマはNao Yoshiokaがここ数年で様々な苦境を乗り越えて感じた感覚を歌詞やサウンドに落とし込んだ作品になっています。

アルバムの完成から見える展望

すでに多くの方から支援をいただいているこのアルバムのプロジェクトですが、僕たちが今ワクワクしていることは、この楽曲達が出来上がり、ライブステージでみなさんにお届けすることです。
2019年以降皆さんと会う機会が減ってしまいましたが、制限がなくなった今2024年以降はとにかく多くのライブをしたいと考えています。
日本でのライブ機会を増やすことはもちろんですが、世界中でライブをし、Nao Yoshiokaの活動やメッセージをより多くの人に伝えていくこと。そして多くの人々をインスパイアし、より良い音楽世界を作ること。
Nao Yoshiokaはライブアーティストであり、ステージ上でその才能を1番に発揮します。

そしてNao Yoshiokaはキャリアの中で今最もチャンスがあるタイミングだと私は考えています。

ヒット動画が生まれ、欧米・アジアでもファンが増え続け、 Java Jazz Fesへの参加やJazz Cafeを満員にし、世界で称賛された実績もできました。その結果ヨーロッパのブッキングエージェントとも契約をし、アメリカのエージェントもNaoのアメリカでの再来を切望してくれています。

このような最高の状態でコロナ禍でさらなる成長を遂げたNao Yoshiokaが新しいアルバムの楽曲を武器に、これから世界に再度挑戦をします。

デビュー当初から考えていた世界で活躍する理想のアーティスト像はもう目の前まできています。

みなさんの支援が、このアルバム・活動の最大化をできるかにかかっています。この最後の後押しをぜひみなさんにご協力をいただけることを願っています

今回も長いブログとなりました。最後まで読んでくださってありがとうございます。

この活動に賛同してくださり、一緒に夢を見てくださる方、ぜひクラウドファンディングの模様もご覧下さい。

現在アルバム制作の佳境ですが、ここからさらにアルバム制作に力を入れて、素晴らしい作品ができるように励み、トンネルを潜り抜けて、みなさんとライブ会場でお会いできることを楽しみにしております。

それではSPREAD REAL MUSIC!

関連記事はこちら: