COVID-19の厳しい状況下で少しずつ緩和が始まろうとしている中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
医療業界の最前線に接している皆さま、少しでも世の中を良くしようと頑張っている皆様に最大の敬意を払いたいと思います。
本当に大変なことになりましたが、とにかく何事にも批判をせず、自分のやるべきことをやるというスタンスを変えず、ブログを久しぶりに更新しています。
ファンの方にはお待たせしてしまう形になりました。本来は4月のLoyalty Tourと共に公開する予定だったのですが、ご存知の通りこのような状況になりこのタイミングでの公開となりました。
お待たせしてしまった皆様には申し訳なかったのですが、時間をしっかりと取ってこのメンバーシップサービスがどうあるべきか考えられたことはとても良かったと思います。
それではさっそく本題について話そうと思います。
Utopiaのコンセプト
Utopiaというサービス名。時間をかけてNao Yoshiokaと一緒に考えました。
アーティストたちが自由に表現し、その表現がファンの方に正しく評価される環境をつくること。人とは違う道を目指す一人一人の個性を大事にできるような環境を作り上げるための実験の場になれるようにこのUtopiaを立ち上げました。
道なき道を行くその開放感、初めてのことをする高揚感。Nao Yoshiokaの旅路はそこに魅力があります。その体験をより多くの人に深く伝えること、そして関わった方が広めてくださることで、日本に新しいアーティストの生態系を作れる日が来ることを理想に掲げています。
日本に多くの素晴らしい音楽を届けるため、そして日本から海外に素晴らしい音楽を届けるための橋渡しができるよう、変わらず活動を続けるための秘密基地、理想郷としてみなさんとこのメンバーシップサービスを作り上げたいと考えています。
それではこのサービスの大事な土台となる、Patreonについてお話しいたします。
Patreonを選んだ理由
みなさんにはちょっとお手数をおかけしてしまうのですが、海外のサービスPatreonを選びました。なぜPatreonを選んだかという話やその登録方法解説については、noteにまとめたのでそちらをご覧ください。
選定理由をざっくりお話しするとチケット先行予約や会報誌が届く既存のモデルではなく、時代にあった世界基準のクリエイターサービスで取り組みたいという思いがあったからです。
そして何よりもCEOジャック・コンテの実体験に基づいた、その思想に感銘を受けたから
ということが最大の理由と言えるでしょう。
表現の自由さと経済性という相反
自分が信じる音楽で収益を上げることを目的にしている人はたくさんいます。
音楽を始め芸術家にとって一番の苦心は、自分がやりたいことを貫くか、人々が求めることに寄り添うか
ということだと思います。これは僕らのような特殊な領域を専門に扱う独立レーベルとしても同じ思いです。芸術家はサービス精神は持っていてもサービスマンである必要はない。同様に僕らもあえてコマーシャルなアーティストではなく、自分の創造性を大事にしているアーティストを応援する方針でレーベルを運営しています。
アーティストがマーケットに依存することなく、やりたいことを自由に表現しながら、その活動を持続可能に発展していく仕組みをどのようにつくっていくか。
僕らがやっている音楽ビジネスは自分たちが正しいと感じる音楽でどうやって持続的にいいものを作って活動を続けるか。その制限の中でしっかりと収益を上げること、その雛形自体を作ることが使命であり、このビジネスの目的だと僕は思っています。
そういった手法を続けて、鍵になったのはクラウドファンディングだったと実感しています。
パトロンになることはアーティストの未来を創ること
運営者としては3度のクラウドファンディングを経験しました。それ以外も製品のクラウドファンディングなどに参加しましたが、僕自身がアーティストが主催するクラウドファンディングに参加したとき、自分が一番ワクワクして気持ちよかったことはなんだったか。
結論から言うと、未来をつくることに貢献できたと感じた瞬間でした。
もちろん限定リターンなど色々魅力的な”モノ”があると思うですが、自分の払ったお金がその人の未来を切り開いたり、新しいクリエーションにつながるという感覚が一番嬉しかったのです。
何かもらえるというより、サポートしていること、未来がそこから生まれることが別次元で嬉しかったのです。
僕が直近でサポートしたアーティストはSacha Veeというニュージーランドのアーティストです。素晴らしい才能でSWEET SOUL RECORDSからもCDを2枚ライセンス契約でリリースしているのと、Naoのデビュー曲、「Make the Change」という楽曲の制作にも携わってくれました。
彼女を発見したのは2010年。当時ニュージーランドでデビューと同時に話題になり、僕らはインターネットで彼女を発見します。
交渉に交渉を重ね2011年に日本でもライセンス契約でリリース。そのあともオランダで大活躍し、2016年には日本にも来日して、夢を語ってくれました。
「将来は音楽学校を開くことに決めてるの。私の経験を若いアーティストたちに広めてアーティストたちに貢献するわ」
そして時を経て、ニュージーランドに帰国した彼女は自分の夢にむけて動き出しました。地元クライストチャーチでの音楽学校を始めるためのクラウドファンディングを開始。アーティストとして世界で見てきた音楽や築いてきたキャリアを教育という形次世代のアーティストたちに還元するためです。
約10年来の付き合い。彼女は友人でもあるのですが、アーティストとしても心から尊敬をしていました。そしてこの活動自体はもちろん、何よりも彼女の創る未来にとても興味があり、そこに貢献できることにとてもワクワクしました。なのでもちろん参加しました。
この支払いを僕がした時、信じられないくらい嬉しい感情が芽生えました。達成間近で幸運にも僕が支払いをしたそのタイミングで達成となりました。
自分が社会に対してとてもいいお金の使い方をしているという感覚と、少しでもアーティストたちの役に立てているという満足感、そして何よりもこの投資で始まる未来にとてもワクワクしたのです。
みなさんそれぞれのアーティストに対する消費はアーティストの未来を創ること。より良い作品を作ることにつながります。またアーティストの経済的な成功は、あとに続くアーティストの希望になります。
このクラウドファンディングというユーザーダイレクトなモデルは、アーティストの音楽に消費することではなくアーティストの夢、ストーリーに価値を見出す仕組みとして定着しました。
モノの時代から情報の時代に移り変わった中でのポジティブな進化は、まさにこの仕組みが生まれたことだと思います。情報のスピードと質が向上し、アーティストと一緒に未来をつくっていける仕組みが生まれたということだと理解しています。
この仕組みをベースにしたPatreonでの挑戦がこれから始まります。
Nao Yoshiokaとの挑戦は雛形作り
今までNao Yoshiokaとタッグを組んで7年間、道無き道を開拓し、様々な挑戦をしてきました。
Nao Yoshiokaの場合は、世界で活躍できるアーティストを目指し、自分の声と感情の表現に一番フィットする英語という言語で挑戦をすることになりました。
なので参加をしてくださる皆さんには、この挑戦自体をシェアしながら制作の様子、今までシェアしなかったようなその裏側も含めてより楽しんでもらえるようにしたいと考えています。
そして僕らがこのサービスで一つのモデルができることで、他のアーティスト達の参考になれ嬉しい限りです。
まだまだ続く世界への挑戦
アメリカに渡った多くの人たちが、夢半ばに日本に帰国しなければいけない状況でした。それどころか多くのアーティストの活動自体さえも難しい状況です。そういったなかで、心配してくださる方もたくさんいらっしゃいました。
アジア人へのヘイトクライムまで発生していること、全世界的にライブビジネスが停滞していることを考えた時に、アメリカに改めて戻って挑戦することをNaoはどう考えているか、僕でさえ心配しました。
本人曰く、「そんなの全く関係なく、バッキバキにやってやりますよ」
とのことでした。
僕たちはCOVID-19があるからこのサービスを立ち上げたわけではありません。このライブなどの表立った活動ができない期間中も、水面下でプロジェクトを進め、UKキャンペーンも続けてきました。そしてCOVID-19があったからといって、僕ら世界への挑戦への意識は一切変わりません。
自ら変化を起こすこと、逆境こそチャンスと捉えて前向きに自分たちがやるべきことをやる。
そのスタンスは、様々な逆境を経験してきた僕たちにとって、体に染み付いています。
Patreonが始まったら
まず直近では去年に引き続きGrammyのキャンペーンをアメリカで始めます。またUndeniableのライブは絶対に日本でやりたい!そう考えているのと同時に、新しい制作を始めるということを考えています。
自分がPatreonで変わることといえば、以前は一生懸命ブログを書いていて、ご存知の通り大作が多く下書きで止まってしまうことが大半でした、苦笑。
このPatreonにはその日に感じたことをフレッシュな状態で僕も参加して、記録を残せれば最高だなと考えてます。
今回はコンセプトを作るその過程から、Utopiaで報告していくことができることを少し楽しみにしています。
参加人数が増えればより良いファンサービスができるという仕組みになっているので、この活動をより広めて面白いことがいっぱいできればと考えています。
それではついにサービスインとなりましたが、変わらないNao Yoshiokaの挑戦をお楽しみください。
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