心の奥底にいる否定できない感情、ブルーノート東京公演を控えて

みなさん昨日はTMCお越しいただきありがとうございました。
ついに先週の金曜日、8月16日アルバムがリリースされたわけなんですが、たくさんのツイートやご感想も本当にありがとうございます。

明日、8月19日に迫るブルーノート東京の公演で始まるバンドフルセットのUndeniable Tourについてブログをお届けします。

昨日は自分にとって大切な日となりました。まずはそのお話から。

否定できない強い感情を感じたTMC

昨日のTokyo Music Cruise2019、アーティスト愛に溢れた本当に素晴らしいイベントでした。

最近Facebookで少しお話をさせていただいたのですが、本イベントは志のもとに作られた特別なイベント。
そんな特別なイベントで初の凱旋公演の一本目だったわけですが、色々と考えることがありました。

Tokyo Music Cruiseさんにお世話になるのは今回が3回目。

いつも通り最高のアーティストホスピタリティ。メインステージであるボールルームの裏では、アーティストたちが交流する、ケータリングルームがあります。

そこでこのイベントの最高責任者である武井さんがアーティストをご自身でおもてなしされています。今回もお時間を頂いて一緒に食事をしながら、パワフルにビジョンを語る姿を拝見することができました。そしてお話をお伺いして、アドバイスを頂いたのです。

実は最近体調が優れず、見た目的にもかなり疲れているのがバレてしまうのです。
それは度重なるアメリカへの渡航で、完全に体調を崩しそのサイクルから抜けられない自分がいるのです。

武井さんは

山内さん大丈夫なの?

ともちろん言ってくださるのですが、僕は

いやー、度重なる渡航でかなりやられました。正直今回のアルバムを作ってみて、半年の半分以上を海外で過ごしました。このペースで海外行くのは結構辛いなと思いましたよ苦笑

ぽろりと弱音をこぼしてしまいました。本当に最近余裕がなく休む暇もなく隙がありました。少し振り返ると、自分でも気づかないうちに、弱音を吐いてしまっている自分がいたのです。このようなことは自分で敗北宣言をしているのと同じだと思い、はっとさせられました。

そして、しまったなーと思いつつ。

山内さんはやりたくてやってるんでしょ?以前話してくれたけど、音楽のシーンを変えるためにやってるんでしょ?

シンプルだけど、今の自分には突き刺さるような言葉でした。

その後、ご自身の経験を教えて下さいました。プリンスグループという大企業で、様々な組織で起こる紛争や、トラブルがあった時に、自分は何故この仕事をしているのかということを部下の助言で立ち戻ることができたという話でした。武井さんが組織にいる存在意義は、日本のホテル業界を根本から変えること。

武井さんのお話を経て、自分への質問がこのタイミングから始まったのです。

公演が終わり、ミュージシャンチームはアーティストケータリングとドリンクを飲み楽しんでいる中、自分の頭の中では様々な思考が走っていました。

お金も時間も健康までリスクを賭けてなんでわざわざ、アメリカに行ってレコーディングしてきたのか

渡航代も時間も手間も何倍もかかるのになんでわざわざ、アメリカのバンドを日本まで呼んでライブしているのか。

なぜわざわざ手間ひまをかけて、ここまでこだわってやるのか。

なんで僕はステージにこうして立ち、音楽の仕事をやってるのか。

武井さんの質問と体験談は僕を原点に戻してくれる、本当に大切な言葉だったとこのブログを書きながら実感しています。

 

公演後もそんなモヤモヤも抱えながら、アルバムリリースが一昨日でしたので、プロモーションの話などNaoと時間をかけて話し込みました。それでもなんとなく僕は少し上の空な部分があり、彼女に一つ質問をした時のことでした。

「なおちゃんは人に奉仕をすることが好きだけど、それってなんでしてるの?」

「単純に、それで喜んでくれることが私の幸せだからです。」

自分がどうやった幸せになるか。自分にとって幸せとは何なのか。彼女の言った一言の発言で、ぼくは瞬間的に脳裏に一つのイメージが閃光のように走りました。

 

 
 
 
 
 
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Naoそしてミュージシャンたちが最高の笑顔で演奏している姿。

明確なイメージが突然思い浮かんだのです。そのインパクトはとても強烈で、心のモヤモヤが一気に解き放れるような、ものすごい感覚だったのです。

彼らの笑顔を創るために、こうして生を受けた。素晴らしいアーティスたちが自由に表現し活躍の場所を作るために今ここにいる

これは僕がこの仕事をするきっかけとなった、約17年前くらいに下北沢のリンキーディンクスタジオで受けた稲妻のような衝撃に近いものでした。20歳の時と変わらないその感情が心の底から込み上がってくるようなそんな感覚でした。

これが僕の否定できない強い感情。

つまりNaoが今回テーマにしたアルバムのテーマにしたUndeniable Feeling。このブログを書きながら、まさにこの感情を大事にしなければいけないと痛切に感じたのです。

以前の僕にとっては当たり前だったこと。

最近の自分は時間との戦いに負け、ストレスに負け、目の前のことばかりに追いかけられてしまい、本来自分がすべき一番の目的を見落としがちになっていました。

年齢を重ねたこともあると思います。歳を重ねると20歳のようには夢を語れないそんな風潮がどこかある。それは現実を知って、試行錯誤するも失敗を重ね、自分を信じられなくなっていく。99%の敗北に心は曇り、1%の成功まで待てない。人によっては最後にはその思いや本来やりたかったことが消えてしまうものもあるのだと思います。

正直苦労の連続で、楽勝だったことっていうのはほとんどありません。でもその都度考え、最善を尽くしてここまで来ました。その時に常に自分を助けてくれたのはこの感情だったと振り返りました。

思いが本物ならば、この否定できない感情はきっと奥底にあって大事なドライブとなって人を動かしていく。

きっとその思いが本物であれば、いつでもちょっとしたきっかけで返ってくる。

少なくとも僕はそういう大切なドライブを心のどこかで持ち続けることができました。

心の声に向き合う。

アーティストたちは日々こんな作業をし、きっと中の世界と外の世界を行き来しているのだと思います。僕はアーティストでもありませんし、基本的にとにかく前向きに物事を進め、振り返らない性分ですので、こんな体験はめったにありませんでした。

この答えが明確になればあとは簡単です。わざわざこうして大変な道を選んでるのは、マイノリティながらも才能があるNaoを代表するようなアーティストやミュージシャンが活躍するフィールドを創るため。

僕にとって彼らのほんの一握りの、公演後の最高の笑顔が人生最大の喜びであるため。

そのためには最高のステージを用意する。彼らが最高のパフォーマンスができる空気や環境を作ること。

それには僕一人ではできず、皆さんの協力が必要です。

アーティストのために。そしてシーンのために。

より良いアーティストが育つために、良いシーンが必要であり、そのシーンはアーティストだけではなく、リスナーの皆さんの音楽への愛と理解が求められます。

この時代にわざわざわ手間、お金、時間をかけてるのは、僕が見ている普段見ている素晴らしい海外のスタンダードを多くの人に見てもらうため。

日本が良いとか悪いと言ってるわけではありません。海外バンドだから良いということではないです。世界にはこんな違う音楽もあって、音楽の多様性を知ることできっと自分の普段見ているものや、やっていることにも深みが増すと思うのです。すこしでもインスピレーションを受けてほしいという思いがあります。

普段からお話をしていますが、音楽の多様性こそ、次世代のアーティストには必要であり、才能が育ち、それをすることで皆さんの楽しむ音楽の幅も広がって行くと思うのです。

明日、ブルーノートに込める思い

ついに明日8月19日から、ベニュー(クラブ)での公演が開始します。

ツアーキックオフは、まずブルーノート東京から。原点であり、自分の音楽のインスピレーションを話す上では欠かせない場所です。僕にとっては戦場のような場所で身の引き締まる場所。

4年ぶり。

間違いなく日本一のベニュー、ブルーノートニューヨークでの公演も実際に経験しましたが、実はブルーノート東京が、世界一のベニューだと言っても過言ではないと思います。創業はすでに30年以上。

世界中から一流のプレーヤーが集まり、世界有数のジャズクラブとして、日本の洋楽シーンを牽引してきたと言える特別な場所。実際ぼくも15年前、学生時代には何度も足を運びました。憧れの場所でした。

そしてその憧れだったブルーノート東京に自分の育てているアーティストが2014年に初登場することになります。

2014年はこんなブログを書いていました。

 

 
 
 
 
 
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帰国して、ブルーノートの会報誌、BLUE NOTE TOKYO JAMを偶然手にしました。今月は覚悟してます。目指せナポレオン。

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夢から目標へ:NAO YOSHIOKAブルーノートに異例の抜擢
5月1日ブルーノート公演に懸ける想い

そして2015年はメジャーデビュー。そしてRisingのリリースで単独ライブで満員御礼。
2019年あれからなんと4年間の時を経て、今回は凱旋ツアーとなります。

Naoの音楽性はThe Truthからよりモダンでアーバンなテイストになったため、ライブパフォーマンスも含めて、よりスタンディングでの会場を好むようになりました。これは音楽の表現にあわせて自然に変化をしていきました。

今回のアルバムも実はかなりスタンディングのイメージはありました。

「でも初の凱旋はやっぱりブルーノートでやりたい。」

という思いは僕もNaoも満場一致でした。あの神聖な場所で、成長した姿を見てもらいたい。実はブルーノート東京の中にも、多くの方がNaoを応援してくださっていて、アーティストを紹介してくださったり、お声がけを頂いたり、とても親身に接してくださるホーム感があります。

Naoのデビュー直後、当初ブルーノート東京が洋楽中心のブッキングだった頃に、新人のNaoの公演を実現してくれたこと。これはやはりNaoの後の経験に大きく響きました。世界中のトッププレーヤーが立つステージでの公演。デビュー間もない公演、ブライアン・オーウェンズの力を借りるも、やはりまだまだ未熟さを僕は感じました。そして2015年、満員御礼のステージでも僕たち自身は課題の残ったライブになりました。
ブルーノート東京は背筋が自然に伸びるような魔法を持っている。またいつか戻ってきたい。もっともっと成長した姿でここにもどってきたいと思える場所でした。

この特別なコネクションとその場の持つ神聖な場所で、今まで最も時間をかけて、心を込めたアルバムを披露したかったのです。

そして今回は、ブルーノート東京で自分たちが多くのアーティストをみて感動をしてインスピレーションを受けたように、そのお返しというのはおこがましいかもしれませんが、表現者になった今、僕たちが今回作った最高の自信作を、新しい音楽をここで披露していく。気持ちは高鳴ります。

 

 
 
 
 
 
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物事をストレートにうまく言うのが、僕たち日本人はあんまり上手くありません。でも今日は欧米風にストレートに。

「ぜひ見に来てください。ぜひ満員へのご協力お願いします。」

長々と話をしました。押し付けがましいところもあるかもしれません。

でも皆さんには公演を楽しむという最大の目的があると思います。ぜひそれを果たしてほしいのです。

皆さんが音楽に愛を感じ、音楽に触れ何かを求めているということは、自然にアーティストをサポートしているということ。アーティストをサポートしたいという気持ちがあること。

僕と一緒だと思うんです。

最高の空間を大好きな人達と、友人とぜひ過ごしてほしいのです。みなさん自身が最高の瞬間を迎えるには、アーティストが最高の状態でなければいけません。アルバム、ツアー、ぜひ多くの人に知っていただくことにご協力ください。

良かったらご友人でも大切な人でも、疎遠になった人でも、音楽を一緒に楽しんでみてください。

「いいものを広めていかないことは罪である。」

いいモノを広めて、そこで共感をしてもらえることはそれはとても気持ち良いこと。それが自分の大切な人ならなおさらですよね。

それでは明日ブルーノート東京にておまちしております!

ご予約はこちらから http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/nao-yoshioka/

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