グラミーノミネート2020発表前に

先日ブライアン・オーウェンズの日本ツアーを無事に終えました。たくさんの方にご来場を頂き、誠にありがとうございました。あっという間に11月も後半に入りNaoのライブとレコーディングのために18日からロサンゼルスに入っています。
 
そしてついに明日、米国で20日にグラミーノミネーションの発表があります。
 
グラミーのウェブサイトでは、8:20 a.m. ETに発表と記載されています、つまり東部標準時で午前8時20分頃に発表ということで、ロサンゼルスでは午前5時20分。
 
日本では午後10時20分頃の発表ということになります。
 
結果を見てからもしっかりと皆さんにフィードバックを伝えたいと思っていますが、まず結果の前に改めて、クラウドファンディングで応援していただいた方、日頃から応援してくださっている皆さんに感謝の意を表したい思います。
 
グラミーは一つの過程である。わざわざみなさんにアナウンスしなくてもグラミーに会員として作品を投稿をして、受賞を狙うこともできたと思うのですが、今回は公言をしてしっかり姿勢を見せたいと思いました。
 
高い目標を掲げ目指している姿勢、そのプロセスこそがいま音楽を愛す人、目指す人達にとって大切なのではと思ったことと、事実決して手の届かないところではないという所まで来たからなんです。
 
この手応えや知見は発表後改めてまとめたいと思います。
 
Undeniableは結果、インディソウルチャートでは1位。UKのソウルチャートでも10位台にランクインすることが出きました。また今回のアルバムをリリースしたことによって、米国での出演オファーを獲得し、米国最大のサテライトラジオ、Sirius XMの月曜から金曜日の帯番組、Sway’s Universeという番組にも参加することができました。
 

 
受賞は関係なく、高い目標を設定できたことで多くの人と出会い、そして多くのことを知りました。手探りの中、受賞のために動いたプロセス自体がNaoの心の成長や、キャリアアップに繋げることができました。
 
今までにないくらい本当にNaoが成長したことを強く感じることができたアルバム制作でした。
 
デビューアルバムから、Naoの人間性をアルバム制作を通して成長させていくということが自分自身の考えであったため、この成長はA&Rを務めてきた自分にとって最も大きな収穫だと思っています。
 
Naoの変化は明確です。心から湧き出る自信、その自信から生まれる姿勢、発言。デビュー時からは全くの別人と言ってもいいでしょう。一生懸命リードをしてきた自分の役割も、今は彼女の考えを補強するような存在になってきています。
 
なかでも印象的なことは、Celebrateという素晴らしい曲のメッセージ、歌詞、メロディをサラッと書いてきて話を聞いた時。ソングライター、アーティストとしての新しい可能性を感じました。自分の存在を認め、理解し社会に対してどのようなメッセージを送っていくか。そういういったアーティストに大切な部分が確立してきています。
 

では自分自信はこのアルバムで成長できたのか。このアルバムは自分にとってどんなアルバムだったのか振り返ってみました。

まず1番に思い出したのは体調面。ほぼ毎月の渡米は完全に体を壊しました。時差ボケの不眠、それからくる免疫力の低下や臓器の問題、その結果の大幅な食事制限、度重なる通院と、健康の大切さを思い知りました。熱血、情熱だけで解決できない「気合の限界」を認めざるを得ませんでした。

フライト・時差ボケ問題での体調不良との掛け算でさらに自分を追い詰めたのはストレスでした。
厳しいスケジュールの中で、野獣のようなミュージシャンやプロデューサーたちと良いものを作っていくための調整にかかるストレスを痛いほど経験しました。
 
そんな極限の状態で、未知の自分と初めて対話をしなければいけませんでした。
 
今まで自分にプレッシャーをとにかくかけてすべてを自分の責任として、自分を極限まで追い込むことで、物事をパワフルに進めてくることができました。その進め方では今回は完全に限界だということを知りました。
 

頭が完全に回らず、常に体調が優れない。それでも米国ではスタジオで、日本では会社で、リーダーとして力強く振る舞うことがもとめられました。

頭が回らないということによって自然とやりたいことが、やらなければいけないことに変わり、ほんとうに自分がやりたいとモチベートされることから、とにかくやらないということに変わってしまう悪循環。
 
やらなければいけないことではなく、やりたいことを常に意識して、後者をできるように動いていく。
 
その意識は、アルバムという制作物のレベルにとどまらず、自分の生き方、考え方も見直すことになりました。過去にはできていたことが、体が止むことによって精神的な面にも大きく影響が出ていたのです。
 
社会的な成功につながることを仕事としてこなすのではなく、自分の心の糧となるような仕事を選び、自分軸の評価をしていく。本当に自分がワクワクする感覚をちゃんと思い出していく。これはNaoがアルバムのテーマにしたメッセージに再度気付かされた自分の在り方でした。
 

心の声に従って生きていく。それは社会の暗黙のルールが形成され、メディアのコントロールによって生まれる「はやり」「常識」という名で凝り固まった価値観ではなかなか実現することが難しいと思います。

広い視野を忘れず、自分が本来なぜ生まれてきたのか、大きな枠組みの中で何をすべきなのかを自分自身で理解し、意識し続けて物事を進めていきたいと思います。

良いものを広めていくこと、SPREAD REAL MUSICというメッセージに、昨日、今日、明日という概念はありません。今回の結果を経てそれから学び、変わらず良いものを創り続けること、そして広めていくこと。

良いものとは自分たちにとって最高の表現で満足ができるもの。そして高い目標設定をして、常に挑戦を続けていき成長を目指したいと思います。

この活動を通して、少しでも僕らのメッセージや思いが音を通して多くの人に伝わっていけばと思います。

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