Brian OwensがHEAL FERGUSONでみせてくれたアーティストの真の力

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現在セントルイスに滞在しておりますと書くはずが
下書き状態のまま、気付いたらダラスに滞在しています。

今回の旅もこれで山を登りきる2週間が終わり、
残すところ下りの2週間です。

以前、告知をしたとおもいますが、8月後半に白人警官が黒人青年を銃殺した
事件が起こったセントルイスは、ファーガソンでの2週間の多くを過ごしました。

ある程度時間が経ち、メディア達も撤退して、
町も落ち着いていると感じました。

テレビやメディアがとにかく大きく取り上げていますが、
実際に町に住んでる人や、現地に来てみると
印象は大分違うように感じています。

地元に住んでいるBrianが教えてくれたことが
まさに真実だと思うので、それを記載すると、

「だからくる前から言っただろ、
メディアはあんなに大盛り上がりだけど、
実際、今年ホモサイド(殺人事件)が起こったのは
ファーガソンでたったの1件。それがあの事件さ。

セントルイスの町の方が6件で全然そっちのほうがおおいんだ。

世界は今ファーガソンがとんでもない地区だと
取り上げているかもしれないが
おれはあえてここが安全でとてもいいところだから
選んで住んでいる。人も家族も場所も大好きなんだ。

だからこのHEAL FERGUSONでみんなと
再度結束していきたいんだ。」

実際僕が見たファーガソンはとても穏やかで
St.Louisの空港から車で5分程度の場所にあるのですが、
閑静な住宅街と人種を越えたコミュニティがあると感じました。

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例えば、マーケットの様子。

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例えばふとした町並み。

どうでしょう。

もちろん僕が見てない場所もたくさんあると思うのですが、
それはきっとどの町でも一緒だと思います。

実際にメディアがわんさか取り上げたことによって
騒いだのは住民以外の人、、

ファーガソン住民にとっては
住んでいると言ったらそのニュースに紐づけられてしまって、
自分の住んでいる町に対してネガティブな印象を持ってしまう。
きっと傷ついているひとも多いだろうと思います。

これをふまえて、今回のイベントで感じた事を
下記に書こうと思います。

まず一番僕が強く感じたことは、

”アーティストの真の力、本質的な役割”

このイベントはファーガソンに実際に在住するBrian Owensが
自らプロデュースをし、スポンサーを獲得し
近隣の住民のために教会の駐車場で行われた自主イベントでした。
もちろん入場はフリーです。

彼が教会の駐車場を使い、ファーガソンの人々のために
フリーイベントを行ったのです。

出演は彼が信頼するアーティスト達、
ご存知、SSRから最近リリースをし、
NaoのBlue Note公演にも参加したMike Hicks
グラミーアワードを受賞したシンガーソングライターJ.R.
そしてBrianが主催し、Naoも出演した、
セントルイスのマービン・ゲイのショーで
オーケストラのバンドマスターを務めたAdam Menassと
豪華メンバー。そこにNaoも招待された訳です。

自分が信じる音楽で、率先的に人々に働きかける姿勢に
多くの人が共感し、当日は多くのボランティアの人々が
イベントに協力をしていました。
僕たちもこうしてこのイベントに参加できた事を
誇りに思い、Brianに尊敬の意を表したいと思います。

さて当日の様子も少し、すこし紹介させてください。

このイベントは9月7日、日曜日に行われたのですが、
Ferguson Church of ChristというBrianの教会にておこなれました。
当日の午前中はその教会に招待され礼拝を共にしました。
その教会の駐車場でイベントが行われるわけですが、
僕たちが来たときにはまだ多くの車が駐車されていました。

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大きなトラック達が次々に現れ、
なんとステージへと変身していきます。
ちょっとトランスフォーマーか?!と感じつも、
みるみると会場ができあがっていきました。

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リハーサルが行われますが、
Naoにはハプニング。ベーシストがリハーサルにこない。。
後から聞いたのですが、実は前日にお願いしていたベーシストが
キャンセルを前日にしたらしく、その影響もあったとの事でした。
その局面にBrianは主催で忙殺され、いなかったこともあり
Nao本人はやはり完璧主義者ですのでとてもそれに動揺をしていましたが
以前ウィルミントンでやったように、
口頭でリハをするもしアンプがあるなら直接指示をしてなんとかやってみなよ
というアイデアでなんとかそれを切り抜ける事が出来ました。

小言ですが、アメリカという国は法律が非常に日常やビジネスに近く
結婚やその他細かい事も契約をしっかりするということを
皆さん聞いた事があるとおもいますが、
本当にひとつひとつ細かく物事を決めて縛っておかないと
なーなーになったりどんどんと変更がおこったりと
リスク低く進行するのが難しく、アメリカがなぜ
そのようなシステムが必要なのか
納得する局面が多々あります。

今回の旅もツアー条件などなど含め
とんでもないレベルの変更が常に見舞われ
それをなんとか最大現に広げていったり、
リスクを回避する事が水面下で常に起こってきました。。

本人のビデオにもでていましたが、
僕たちはこれを地獄の2週間とよんでいます笑

さて夕方5時半から無事にイベントが始まりました
J.R.→Mike HickそしてBrianの登場です。

少し写真をご覧下さい。

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初Mike Hicks生でみれました。すごいパフォーマンス。

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人種を隔てる事なく、幅広い年齢が集まって

 

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イベントにはおそらく1,000人以上の人が来た模様です。

Brianはステージ上に立つと全身全霊で
人々に自分の歌で訴えかけます。

彼の本来のアーティスト性でもある、

10月1日にPreachが発売されますが、
それに収録されているLove Loveはまさに
「僕のメッセージはシンプルさ、僕たちに今必要なものは愛だ」というアンセム

作詞を手掛けたテレサ・ペインと
Naoと一緒にステージを共に披露をしました。

NaoはMake the Changeを披露し、
最後の締めはA Change Is Gonna Come。

当日の話はやまほどあるのですが、このくらいにしておきましょう。

冒頭にお伝えした事、今回僕が強く感じた事は

”アーティストの真の力、本質的な役割”

ブライアンが僕に見せてくれたことは、
音楽というものが商業的な局面やエンターテインメント的な要素が強くなる中、
今まで音楽が人々の傷を癒し、苦境から救うツールとしての
本来の役割を見せてくれたとおもっています。
歴史の新しいページをめくってくれたような印象を受けました。

ブライアンの音楽スタイルはまさに”ソウルミュージック”
かつてのマービン・ゲイのように、メッセージソングを綴ります。

人々のために彼は音楽というツールを使って、
傷を癒し、メッセージを投げかけ
人々を結束させたのです。

その活動はやはりメディアにも大きく
取り上げられました。

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これは地元紙。そしてFOXにも番組でとりあげられました。
http://fox2now.com/2014/09/07/concert-to-help-heal-ferguson-attended-by-residents/

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アーティストは時代のリーダーであるべきである。

これは僕の勝手な価値観かもしれませんが、
僕はアーティストとは社会におけるリーダーであると常に
感じて仕事をしています。

公の場に、音楽というツールを使って
メッセージを伝える活動をしているからには
そのメッセージに責任をもっていると思うからです。

アーティストを育成するときは
その時代のリーダーを育てるという感覚に陥ります。

音楽の持つ力は普遍であり新しい時代のリーダー達が
その力を人々のために使う。

そんなことを強く考えました。
僕たちレーベルが出来る事は、彼らの活躍を常に
”正しく”支える事。

僕たちはただCDを売る、公演を成功させるということではなく
時代のリーダーを発掘し、彼らと共に成長し、
より良い時代を作る事なのだなと感じました。

今回Brianと過ごす時間が多く、彼の音楽性や
アルバムについても詳しく話す時間がありました。

これが僕が音楽の仕事をしている醍醐味でもあるのですが、
彼のファーストアルバムから10月1日に発売される
セカンドアルバムへの成長や意図を感じる事が出来ました。

Brian Owens - PREACH! Jacket_web

僕の大好きな曲、Keep Moving Onが出来た背景について。
この曲は彼が若いときにツアーに大失敗しお金もなく
やむをえず、友人の家のベースメントで下宿をしていたときに生まれました。

お金もなく、周りからの信頼も失い、俺はこれから何をすればいいんだろう
音楽なんてもうやめたほうがいいのかと葛藤したそうです。
でもふと、降りてきた言葉が
「Keep Moving On」

そんな自分との戦いをテーマにしたり、
自分に言い聞かせるように
「I Just Want to Feel Alight」
といった曲を書いたのです。

暗闇の中から、自分を見出しそれを
伝えて人々にもそれを伝える事で、
嘘のない生き様をみせるアーティストとしての第一段階だったのではないかと
僕は考えます。
その時代を経て、歌詞にある感情や行動を実行して今があります。

彼がファーストアルバムに込めた想いとセカンドアルバムに込めた想い。
大きく変化する事は、やはり自分を見て感じた事を綴った一枚目から
Help the PeopleやPut Down the Gunなど、人々のために自分の
立ち位置をシフトしたところでしょう。

これからもBrian Owensのアーティストとしての活動は
見逃せませんね。

さて長くなってしまったの今日はここまで。
次回ももう1記事、ファーガソン滞在中に感じた事を
書こうと思います。

※そうだ、一つ宣伝ですがブライアンのアルバムは必ずチェックして下さい!
満を持しての、最高のできあがりです。
日本で彼のアルバム公演を実現するために、精一杯動こうと思います!

それでは今日も
SPREAD REAL MUSIC

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