「Rising」プロデューサーズライナーノーツVol.2
The Lightから Into the Lightへ

LSI_4063今日は代官山LOOPで行われるRising Japan Tour 2015ツアーキックオフ前日です。

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みなさんと明日、最高の音楽空間をご一緒できること、
心より楽しみにしております。
明日しかやらないスペシャルな曲も用意しております。

さて、前回に引き続き、今日はライナーノーツ第二弾

2 The Lightから Into the Lightへ
-新たなるフェーズへ、想像を超えた自分を描くこと

2014年、年始のNaoのコンセプト提出を受けて、
それをつき戻してから、僕なりにコンセプトをまとめ
要望を整理した企画書を起こしはじめます。
僕の方で形になったのは4月。

NaoはThe Lightリリース後は、Naoが変わりゆく人々の反応や、
日々の変化についていけず、迷い続ける2ヶ月を過ごします。

その間、アルバムの進捗は一切なし。
進捗が出てきたのは2014年3月13日。
ライフサウンドの創業日。

メモの出だしは

「今のNao Yoshioka3/10。不安と、自分の気持ちがすごく不安定です!」

という出だしでした。
※文章もわけわかんなく不安定だな、、と思うのです。

この提出は、迫り来るビルボードライブとブルーノート公演の
企画の提出と合わせて出してきた自分の状態を整理したものでした。

アルバムの部分を読み解くと、まだまだまとまってない様子。
しかしリリース直後よりはかなり整理されていたように思います。

音楽的にやりたいことや、コラボ相手のリクエストはきましたが、
肝心のコンセプトの抽出がない。

僕自身がNaoを引き上げたいレベルまでのものは
全く見れませんでした。

そう、僕の中ではなんとなくもうイメージができていました。
僕がみたかったメジャーデビューするNao Yoshiokaは
自信に満ち溢れ、人々に希望を見出してもらえるような
そんな生き様、メッセージをもった姿でした。

Make the ChangeをNaoが歌うことによって
ポジティブになり成長したように
現状の自分をアルバムで表現するのではなく、

自分の想像をちょっぴり越えた、なりたい自分を描くことを求めていました。

そして精神的にアルバムづくりに挑む新しいフェーズに行くことを望んでいたのです。

しかし・・・
2014年初旬、Nao Yoshiokaは
The Lightでデビューした環境の変化と
迫り来る、日本2大レストランベニューでの公演を前に戸惑い
硬直していたのです。それは2ヶ月くらい改善されず
スランプに陥りました。

改善されないこの状況を見計らって、
3月に僕の別件の仕事の都合に合わせて
Naoにデトックスをしてもらうために、
ニューヨークで落ち合うことにしました。
もちろんそこに急ピッチで公演を引っ掛けて。

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はっきり言って、苦渋の決断です。
でもなんとかしないと、アルバムどころか公演までまずい状況でした。

原点回帰というか、ニューヨークで最高の音楽を吸収して
なんとか気持ちだけでも次のステージに押し上げたかったのです。

僕はこの旅でなんとかNaoをモチベートするために企画をしました。

ひとつはGordon Chambersに会わせること。
そして次期アルバムのコラボレーションを依頼すること。

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そしてもう一つは、

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ニューヨークのシーントップの音楽を見させること。

プラス何個か飛び入りやイベント出演など。

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SOUL MIXER。

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東京で出来たニューヨークでの友達のイベントに飛び入り。

見事に思惑通りとなり、
Naoは帰国する頃にはエンジンがかかっていました。
その勢いで、ビルボードそしてブルーノートと大舞台を堂々とクリアして行ったのです。

そしてライブ後に提出されたものにはこう書いてありました。
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僕が4月の時点で用意していた企画書はこれでした。

スライド1
微かな光を希望にしていたNaoから、自らが光の中へ、
と書いています。そして本音を言えば、

光を解き放つような存在へ。

以前の彼女のメモに書いてあった

I’m worth it.

という言葉で結局言ってることは、
私は完璧じゃない。人間ぽいところを認めたい。
自分は価値がある人間だ。(と認めたい)
というネガティブな視点からのスタートであり、
僕が求めていたのは、

過去があるから、今はこんなにできるよ!

という体験談ではなく、

最初から当たり前のように、
過去は関係なく、私には夢があり、希望があるという
絶対的にポジティブで強いメッセージを持って欲しかったのです。

そしてこんな形で、前作のフィードバックをしました。
かなり赤裸々ですね。

スライド05

 

スライド06

このようにドキュメンテーションを各箇所で丁寧に行い、
反省をしっかりとまとめチームに共有しました。

その大前提を作った上で、NAOに宿題を出しました。

自分で歌詞を書いて、毎週1〜2曲提出をしなさい。

実は以前から、歌詞を自分で書いてもらうことは話していました。
毎週提出をしてねと言ったのはこれが初めてじゃなかったのですが、
なんとなくながされつつ、5月のブルーノートのツアーが終了した後に、
真剣に、伝えたのです。

これは自分の意志を自分の言葉で伝えていくことをはじめなければ、
彼女の真のアーティスト性は見いだせないと判断したためです。
英語での作詞。しゃべることでもむずかしいのに、
この課題を出した時は本当にできるのか疑心暗鬼でした。

そして、、毎週ではなかったのですが、しっかりと歌詞は提出されました。

一生懸命努力をした形跡も見られ、文法とかはめちゃくちゃだったりするんですが、
中には光るものもあり、それをアメリカに渡る9月までみっちり行いました。

そしてアメリカへ渡ることになります。
アメリカに渡る話をする前に、ひとつ忘れてはいけない話があります。

音楽制作を進める一方で、僕はプロデューサーとして、
もう一つの大役を任されています。

それは資金繰りであり、このアルバムはメジャーレーベルである
YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS社(レコード会社)
とSWEET SOUL RECORDS(Nao Yoshiokaのマネージメント)の
共同制作プロジェクト。両者が出資をするプロジェクトです。

企画書通りのことを実現しようとすると、かなりの金額がかかるのです。
企画書を書いたのは自分なのですが、ドキドキしながら

  • 世界中のアーティストとコラボ(グラミー受賞アーティストを含む)
  • ツアーをさせながら、アーティストを成長させてレコーディング
  • レコーディングはオランダとアメリカ
  • 1曲を除いては、すべて生音でのレコーディング
  • カバーは極力無くしオリジナル中心

といった企画内容を書いていきます。

ワクワクすればするほど、冷汗も出る出る笑
いったいどうしたら、僕らの経営状況でこんなキャッシュを用意できるんだ?

レコード会社は、ツアー/ライブにかかるお金はもちろん出しません。
僕たちマネージメントであるSWEET SOUL RECORDSが捻出をしなければいけません。
Naoのアメリカにおけるキャリアは本当に小さいもので、
マネージャーを連れて、飛行機代、ホテル代の捻出、
現地でバンドを雇って、リハーサルをして、、、などなど
話にならないレベル。。。

そして原盤を共有する場合には、その制作費を比率に応じて、
事務所であるSWEET SOUL RECORDSが出資する必要があります。
回収は何年か先。かつ、僕はプロデューサーであり
ライフサウンドという会社の代表として
その原盤の出資者であり、その制作にかかる自分への工数、
ツアーに出る約2ヶ月半、会社の他の業務ができなくなること、
時差をまたいで、現地の仕事と日本の仕事の同時並行することなど
頭の中は不可能でいっぱいになりました。

こんな中、みなさんに御願いをしたのが、
SOUL MUSIC FUNDINGでした。

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”クラウド”という概念の既存のファンディングサービスをあえて使わず、
SOUL MUSICを愛する人々向けに作らせていただいたサービス。
なんと目標額を開始2日でクリア。
頭を悩ませていた、費用面を少し解決できました。

改めて本当にありがとうございます。

僕は以前から、Nao Yoshiokaの活躍は日本の夢である。
というキーワードを使っていました。
もちろんビジネスとしてしっかり成り立たせることを前提にやってはいますが、
僕自身が、Nao Yoshiokaの活躍を願っているファンでもあります。

そして、みなさんが同じ気持ちで出資をしてくださって、
その目に見えるもの以上にずっしりと重みのある価値を感じながら、
僕はこのプロジェクトを必ず成功へ導かなければいけないと心に誓いました。

この頃から「夢」というキーワードを、なんらかの形で
楽曲に使いたいと考えていました。
これはみなさんご存知の結果に繋がります。

それでは次回は9月のアメリカ渡米について綴ります。

改めまして、明日はRising Japan Tour 2015のキックオフパーティ。
僕達が積み上げたアルバムの歴史、そしてツアーでしか味わえない
特別なアレンジをぜひぜひぜひご一緒できればと思います!
SPREAD REAL MUSIC!

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