豪華客船の音楽フェスCapital Jazz SuperCruise Vol.1
-実感するアメリカでの成長、広がるソウルフレンズの輪-


今回は9月24日からアメリカはニューヨークから出発し、バミューダ諸島を往復。
豪華客船で7日間に渡って開催されるソウルミュージック専門の音楽フェス、
Capital Jazz Presents “The Super Cruise XI”の旅について綴ります。


バミューダ諸島といえば、
バミューダトライアングルという
ミステリースポットで名前は有名ですが、
ニューヨークからはフライトで約一時間の
人口3000人のアイランド。
イギリス領で日本と同じく運転は左側通行の
海に囲まれた美しい街です。

道中の話も交えて話していきますが、
日別の詳細な出来事は
Make the Change Projectメンバーの会報誌で
Naoがじっくりとガイドしますので
僕は純粋に感じたことを残したいと思います。

さて9月はロンドン→オランダと多忙を極める中、
突然のこのオファーでしたので、なんとか予定を再調整し、
この旅を成立させました。

契約をささっとまとめ、ウェブサイトには早々に
Naoの写真が掲載されました。

錚々たる面子の中、
たった一人アジアンのNao Yoshiokaがぽつりと
ウェブサイトに登場します。
改めてみてみるとやはりソウルファンなら唸るこのメンツ。
India Arie、Robert Glasper、Kirk Franklin、Eric Roberson、
そしてGladis Night…

 

もちろん喜びは止まりません。
喜びもつかの間、オファーが直前だったこともあり
現地での公演情報や船に乗った時の情報が非常に乏しく、
ある程度は知り合いのミュージシャンから聞いたりはあったのですが、
もう乗ってみないとよく分からない。。
という事象がたくさんありました。
そこが旅の一つの醍醐味でもあります。

ニューヨークとバミューダの往復をする
豪華客船Norweigian Breakway号による
7日間の旅がついに開始しました。

 

This is America. The Motown Throwdown Tribute Show. #powefull #naoyoshioka #calitaljazzcruise2017

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予想通り、辺りを見渡す限り99%がアフリカンアメリカン。
アメリカ中の音楽好きの富裕層のブラザーアンドシスターが
集まる旅行といっても過言ではありません。

さすが豪華客船。船というより、
海上を移動するホテルというイメージです。
まずその客船のエレベータに表示された階数は最高16階。
地下というより海下に階数があれば
きっともっとあるのかもしれません。

 

ホテル内には10以上のレストランにラウンジバーやダイニング。
カジノにジム、フィットネスセンターに
屋外プールやウォータースライダー。
そして公演ができる会場も1000人以上
収容する会場から100人程度のベニューまで、
複数存在します。

旅客定員なんと4000人。そのうちクルーが1500人以上とのこと。
船の価値はなんと700億円。

普段はNorwagian Cruise Lineという
この客船を所有する会社が運営するサービスと
Captal Jazz Productionが提携し
ソウルミュージックオンリーな貸切をするという
アメリカらしい夢のようなイベント。

今回のクルーズでなんと、11回目ということで
運営をしているCapital Jazz Productionに最大のリスペクトです。

僕らが聞かされていたことは、出演する日程と公演内容くらい。
船が出発してから3日目の遅い時間に公演本番。
リハーサルは船上で2日目。
ワークショップは何処かのタイミングでやらなければいけない。
それ以外は何があるか把握することが困難でした。

予定は各客室にこんな形で日毎に配られていきます。

乗客にも出演するアーティストが
どのタイミングで何時に出演するかなどは
知らされてないのです。
日本ではありえないことですよね笑

ある意味、いろんな公演にいって欲しいからという
狙いなのかもしれないと思う仕掛けもあったので
ベストなタイミングを見計らって通知をしているのかもしれません。

そんなこんなで船上での予定が全く組めていなかったのです。

なんとか情報収集をするために
今回エリック・ロバーソンと来日するBVであり、
ソロアーティストでもあるD Mauriceに事前に連絡して聞いてみると、

「ジャムセッションがあるからそれには絶対参加した方がいい。」

と言われました。

(ちなみにD Mauriceは11/21に来日に合わせSWEET SOUL LOUNGEに出演します。)

なんだかざっくりとしていて、
実はあまりやることないのかもしれないなぁと妄想。
船上ですのでネット環境があまり快適ではなく、
日本と取りたくても連絡が取れないので
この感じだったら普段ゆっくりできない分、
もしかしたらよだれが出るような
ソウルのスターたちのの公演を見たり、
バミューダで少し休んだりできるかも!!と楽観視していました。

船に乗ると少しずつ全貌が新たになっていきます。
まずEric RobersonとRobert Glasperのジャムセッションが
合計4回くらいあるとのことでした。

無論、僕とNaoは鼻息荒く全部参加していこう!となります。

船上の一番最初のイベントはリハーサル。

Naoは今回、バンド編成で向かったのではなく
現地のハウスバンドに乗っかることになっていたのですが、
蓋を開けて見るとそのミュージックディレクターは、
SWEET SOUL RECORDSからリリースをしている
アーティストの一人DRE KAYのDeAndre Shaifer
(通称:Dre King)でした。


Dre Kingといえばアメリカの首都中心で活躍する
プロデューサーでありキーボーディストそしてトランペッター。
Black MilkやRaheem DeVaughnの
楽曲のプロデュースをしている、実力派のプロデューサー。

はたしてどれだけ今回のハウスバンドが曲を
さらってきてくれるのか
さらにはどんなアレンジをしてくるのかなど
期待と不安を膨らませスタジオに向かいます。

ドレの活躍は以前から聞いていましたので、
個人的には期待が大きかった。

リハーサル会場は船上の最上階のナイトクラブ。
部屋に入ると一番に目に入るるのが
窓からヒロ柄海と空。
開放感がありとてもテンションが上がります。

まず、僕たちに声をかけて来てくれたのは、
ドラマーのBisscuitとベーシストのChooky。

「あれ?バーチミアでラサーンのオープニングしたよね?」

ということで、よく見てみれば僕たちが震えながら見ていた
バーチミアのラサーンの公演のバンドメンバーが
今回のハウスバンドのメンバーだったということが判明します。

もうその時点でこのバンドは間違い無いんじゃないだろうか?
ということを思うのですが、音を聞いてさらに納得でした。

リハーサルはスムーズに進み、Nao Yoshiokaの楽曲たちは
ワシントンDCのトップミュージシャンによって
正しくパワーアップされます。

僕たちは確実にシーンの一番正しい人たちと音楽ができている

こういった縁は遠征をする度に濃くなり、輪は広がります。
Naoの情報がwebに掲載されて間もないタイミングで、
アメリカ現地のミュージシャンの友人達から連絡が届きました。

「おれもその船乗ってる!あっちで落ち合おうな!」

その一人が今回エリカ・バドゥのMDとして
先日の来日公演にも同行していた
ミュージシャンのRC Willams Juniorです。

彼らが来日をした際に
SWEET SOUL RECORDSからリリースをした
同じダラス出身のQuentin Mooreが
共有の友人にいることが判明し、
それをきっかけに交流が続いていました。
RC & Gritzとしても日本でブルーノート公演をしています。

先日まで日本に滞在し、エリカ・バドゥの
公演をしていたRCとは一緒に時間を過ごす機会があり、
彼の音楽のキャリアや現状、
考え方もじっくりと聞くことができました。

僕たちのような人間にとっては
バイブルのようなあのブロックパーティの
ステージにひょこっと乗っている
RCに気づいたのは昨日のこと笑。
本人から教えてもらって調べたのですがこのムービーです。


そしてセントルイスへ『Rising』の
レコーディングをしに渡航した際に、
空港でばったり出会った、Eric RobersonやD Maurice。

蓋を開けてみれば、
Naoのレコーディングや遠征の旅で繋がった
アーティストやミュージシャン、
そしてSWEET SOUL RECORDSの
付き合いのあるアーティストたちに
溢れたクルーズだったのです。

自分にとっては学生時代にCDで
音を通して付き合ってきたアーティストが、
目の前を通り過ぎたり、直接話をしたり、仕事を一緒にしたり。
レーベルを始めた時に思い描いていた景色が
目の前に広がっていました。

エリックとはbmrに掲載する記事のインタビューをさせてもらったり、
夕食も一緒にすることができました。

Naoのキャリアについてアドバイスをもらったり、
彼のインデペンダントとしてのスタンスや
今考えていること、シーンで感じていることなど
惜しみなく話してくれた特別な時間であり、
自分にとっては忘れられない瞬間です。

こうして僕たちはアメリカのソウルシーンで着実に根を伸ばし、
進歩を実感する旅となったのです。

次回は、初のステージ。
ロバート・グラスパーがホストをする
ジャムセッションの話から始めたいと思います。

タイトル:Nao Yoshioka with Special Guest Eric Roberson
日程:2017年11月18日(土)
時間:OPEN 15:00 / START 16:00
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
出演者:Nao Yoshioka(vo) / Eric Roberson(vo)他

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