音楽の裏方に回って、よかったことと、よくなかったことがあります。
もちろんよかった事の方が多いですが、
よくなかった事としては、純粋に聞き手としての楽しみを失う事。
自分の手掛けるアーティストだったら常にアドバイスをするために
楽しむという事よりも、どうやったらよくなるかという視点で見ます。
様々な観点から。たまには重箱の隅をつつくかのように。
そうしてアーティスト一緒に成長をしてくことが宿命なのです。
それを繰り返すと、純粋に楽しむためには必要のない感性が磨かれます。
気付かなくていい事も気付きます。
そして全てに完璧の状態をもとめるようになります。
会場の音がよくなかったり、ミュージシャンのミスノートだったり
PAのバランスだったり、ピッチだったり、アレンジが気になったり
お仕事っぽかったり、
そんな癖がどのライブをみても、つくようになります。
こうやってライブを楽しめなくなります。
ライブ不感症。もしくは聞いて不愉快にさえなり
体調も悪くなるほどです。
しかし素晴らしいアーティスト、ライブに出逢うと
そんなフィルターを突き抜けてくる、本物の瞬間がある。
とてつもない熱量が心にダイレクトに伝わってくる。
僕は日々そんなライブに飢えながら音楽の裏方をやっています。
でも今日のモーションブルーで行われたライブは「本物の熱」を、「本気の意思」を純粋に感じたライブでした。澤田かおりの熱が、本気さが僕には伝わってきました。
これは自分がマネージメントしていたアーティストだからひいきしているとか
そういうのを関係なく、僕は本物の瞬間に立ちあえたことを
1音楽ファンとして純粋に彼女に感謝をしています。
彼女のワンマンライブは本当に久しぶりで、実は
去年のモーションブルー以来なのではないでしょうか。
今思い出せば一緒にやって来たライブは
彼女の感情と熱に溢れ、僕はいつも裏方だとしても
常にそれに熱狂され、モチベートされていたと思い出し
すごいアーティストの携わって来たんだなーと改めて幸せに思いました。
新しいスタート、決心。僕には痛いくらい伝わってきました。
新曲も本当に素晴らしかった。涙が流れました。
澤田かおりというアーティストの人間性、精神性が
音楽というツールを使って心の奥底まで響きました。
澤田かおりさん、本当におめでとう。
レーベル移籍第一弾のシングルが1月に配信されるそうです。
こうしてブログをかけることが本当に嬉しいです。
PRISMのジャケット撮影のオフショットから。