キャピタルジャズフェスを終えて Vol.1:伝えなければいけないこと

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昨日無事にCapital Jazz Festでの公演を終えました。
今日は会場側が手配してくれていたホテルをチェックアウトし、
メリーランド州、ボルティモアの郊外にステイしています。
そしてこのブログを書き終わる頃にはDCの中心部に移動をしているかとおもいます。

本当は渡米前に、皆さんにお伝えすべきことがあったのですが、
今年は多くのアーティストを日本に受け入れることができ、
渡米直前まで来日アーティストのケアなどに追われ、
今こうしてライブを終えて皆さんに思いをお伝えしています。

まず、映像収録のために今回クラウドファンディングサービスを
利用したことについてお話をしたいと思います。

ファンの方からとても親身に今回の取り組みの真意を知りたいという
ご連絡を直接メールでも頂きました。

本当はこのサービスを利用する前にお伝えするべきだったと
痛感しております。

Nao、そして僕らのことを考え、心配してくださる方、
支えてくださるみなさまに心から感謝を表したいと思います。

それではこれから長くなりますが、
お付き合いいただければと思います。

 

甘い期待は実らなかった

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このフェスティバルに参加すること、
僕らがそれを聴いた時には飛び上がる思いでした。
自分はこのフェスのことをもちろん知っていましたので
興奮さえしました。

周りはグラミー賞受賞者や世界クラスで活躍しているアーティストの中に
ぽつんとNaoがいること。
日本人選手がメジャーリーグのデビュー戦に登板が決まったくらいの
衝撃を僕は受けたのです。

もしかしたらメディアがNaoの活動に特集を組んでくれたり
なにかこの出来事を多くの人に伝えることができる
きっかけになるのではないだろうか?

お恥ずかしい話ですが、僕は少し期待していました。

この24年間一度も日本人シンガーが呼ばれなかった
数万人規模のフェスティバルにNaoが参加すること。

新人枠では最も演奏時間がながく、
素晴らしい待遇と評価を事前に受けていること。

これはとてもわかりやすいし、
もっともっと大きくメディアの露出やバイラルが
起こるのではないかと思ったのです。

欲を言えば、ドキュメンタリーなどを録りたい!と手を上げてくれる
メディアもいるんではないかと、勝手に期待したのです。

多くの方にこの活動、彼女の功績を伝えるチャンスだと思っていました。

自分自身普段はいかない交流会に行って、メディアの方にプレゼンしたり、
自分が持っているコンタクトには細かく連絡しました。

結果、プレスリリースへの反応は薄く、
僕達ができる範囲は大変狭く、やはり微力で僕達では力不足でした。
僕達がやっている事自体がマス向けではないですし、
マスメディアとの繋がりは僕たちはほぼ皆無なのです。

音楽のジャンルなどはさておき、彼女の世界進出に関しては、
日本の皆様には喜んで頂けることなのではないかと考えると、
世界を目指す、多くの人々に伝えることではないかと思うのです。

出演決定に関しては話題にならない。
であれば、出演後にその勇姿を見せていくしかない。
なんとか映像でその臨場感をできるだけ多くの人に伝えたい。

 

記録を残さなければ。。

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今回はとりあげられなかっとしても、今後話題になったときのためにも
その時の映像をちゃんと残し、彼女の真の姿を多くの人に見ていただきたい。
歴史の一部分として、後の世代に伝えていきたい。
そんな思いがありました。

しかしそれを考えた時に、今回果たして
現地で撮影をすることが実現できるかどうかに頭を悩ませました。

僕がNaoと海外に渡航する際はスタッフは誰も帯同せず、
二人で渡航を強いられます。

そのためツアーマネージメント、音楽のプロデュース、交渉、
ミュージシャンとアーティストのケア、プロモーション、
その他様々な手配を現地で一人でやっています。

日本にいたら、スタッフたちがいろいろと動いてくれる。

しかしアメリカにコスト的に
当然海外に全員を連れていくわけにはいきません。

ライブ当日は本当はNaoの音楽プロデューサー、A&Rとして
ライブをしっかりと見て音作りや演出に集中したり、
アーティスト、ミュージシャンのケアだけに集中できれば
一番嬉しいのですが上記のことを全てこなして
そんな中での、映像や写真撮影という作業。

 

いままでアップしてきた映像の大半は、
僕が現地にカメラ機材を持込み、素人ながらもなんとか
その姿を皆さんにお届けしようと、
ライブ中に駆け回りながら、抑えてきました。

はたして今回この規模で、それはできるのだろうか。
想定外のことばかりの初の海外の巨大フェスで、
自分が全て担当することはかなり困難ではないだろうか。
でも海外でカメラマンだけ雇ったとしても、
映像の狙いや、プロデュース面などで中途半端なことができても。。

そんなことが頭をよぎっていました。

またソウルミュージックファンディングで
ファンの皆様に頼ってもいいだろうか。
みなさんは応援してくれるだろうかなどなど妄想は続きます。

そこで一番懸念したことが今回のプロジェクトを考えた時に既に大変ご協力を頂いている、
Make the Change Projectの皆さんだけに、
これ以上協力して頂くわけにはいかないという気負いがありました。

悩み続け、時間が過ぎて行きました。

そしてある日augment5 Inc.の井野さんが声をかけてくれたのです。

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「山内さん、これはちゃんと映像に抑えましょう。協力させていただきます。
僕らも行きますし、海外で映像チームを編成し、ちゃんとカタチにしましょう。
実はデイビットにも少し話していて、彼らも協力してくれそうです。」

井野さんは上原にいる同世代の仲間で、海外に挑戦する同志でもあります。
彼らに映像を抑えてもらえれば、こんなに心強いことはない。
そしてMake the ChangeやDreamsのPVを撮影してくれた
デイビッドも力になってくれるということだったのです。

しかし問題は、やはり資金面でした。

今回のフェスの渡航ですが、幸いにも助成金も利用することができましたが、
海外への遠征というのは本当に苦しい状況を強いられ、投資の連続となります。

その上で、映像チームを編成しそのコストをうちでリスクを持っていくこと。
この規模のキャッシュを捻出することは残念ながら僕達のような微力なレーベルではできなかった。

この活動を広めていきながら、同時に資金を集められる方法はないだろうか。
と考えた時にそれが日本最大のクラウドファンディングサービスの利用でした。

僕達の信念は変わらない。

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ソウルミュージックファンドはコアなチームを創るために行い、
それがMake the Change Project Memberへと繋がりました。

今までとは変わらず僕らSWEET SOUL RECORDSは
Make the Chang Projectメンバーの皆様、
既存のNao Yoshiokaのファンの皆様に
最大の配慮ができるように努めていく所存です。

しかしSPREAD REAL MUSIC、このブログのタイトルになっている
原点に立ち戻って考えてみたいとき
ソウルミュージックファンのためにも、この事実を広めることが大事であり、
この事実を知ることで、同じ境遇の人たちの励みになり、
より多く仲間が広がるのではないかと思うのです。

良い物を広めていくことこそが
僕達がすべきことなのではないだろうかと信じています。

彼女の活動が広まることによって、より僕達の音楽が
日本に広がり、僕らの音楽が好きな人が増えていく。

ファンが増えることによって、
どんどんとこのマーケット自体が大きくなり、
アーティストたちも世界から来日するチャンスも増える。
そして日本から世界からアーティストが羽ばたくチャンスも増える。

Make the Change Projectの概念です。

今回のクラウドファンディングですが、あえてAll In方式をとりました。
これは金額が達成しなくてもプロジェクトは遂行される方法です。

単純にに映像を皆さんにご提供するということではなく、
歴史の一部を記録にし、後世に伝えていかなければいけない。
僕にとってはその意図のほうが大きいです。

そしてこの映像を正しいタイミングで、正しく世に出していくために、
僕たちはみなさんのお力を借りて記録することにしました。

より多くのアーティストたちや世界を目指す人々が
これからできる映像によってインスパイアされ、
様々な壁を超えて、世界に羽ばたいていけるように。

映像いいの撮れてます。

次回はライブ当日の出来事を話したいと思います。

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