2026年10月12日、2027年グラミー賞のファーストラウンド投票が始まりました。『self』という作品を世界へ届けていくための、新しい時間がここから始まります。
そんな大切なタイミングに、プロデューサーズライナーノーツの全曲解説・後編をお届けします。今回は「Inner Universe」から「Shelter」まで。Naoがこの作品で出会った音楽家たち、スタジオで生まれた瞬間、そして一曲一曲に込められた背景を振り返ります。
前回の全曲解説・前編ではM01からM06まで、アルバムプロデューサー/A&Rの視点から楽曲を解説しました。楽曲の意味や込めた思いについては、Nao自身がInstagramに投稿していますので、ぜひあわせてご覧ください。
それでは、M07からM12までを解説していきます。
7. 「Inner Universe」 feat. Misha, Jussi Halme & Chien Chien Lu
フィンランド出身で、現在、世界的に注目を集めているプロデューサー/アーティスト、Misha。僕が初めて彼の楽曲を聴いたのは、2019年にさかのぼります。「Luv Pact」という曲でした。その後、2021年にはEvil Needleとのコラボレーション曲「Spirits」をプレイリストに保存。そして2023年、Amber Navranを迎えた「Question」を聴き、改めて彼の名前を強く意識するようになりました。
「バタリー」という言葉がふさわしいほど、バターのように濃厚でなめらかな質感を持つ曲です。クワイエット・ストームというか、Anita Bakerの楽曲を思わせるような奥ゆかしさがありました。Mishaはフィンランド出身のプロデューサーですが、Nate SmithやLalah Hathawayをはじめ、アメリカのグラミー受賞アーティストとのコラボレーションを重ね、今まさに頭角を現しているアーティストです。2026年10月2日にはOPRCTで日本公演も実現し、彼の音楽を日本で体感できる機会になりました。
この曲が強く印象に残り、自分のプレイリストに入れて何度もリピートしていました。レーベルの仲間たちにも彼の楽曲をシェアしたところ、その後、レーベルヘッドの西井くんやマイケルとMishaとの間で話が進み、彼は僕らのレーベル、SWEET SOUL RECORDSから作品をリリースするアーティストになっていました。
Naoとのコラボレーションを提案してくれたのは、レーベルヘッドの西井くんでした。レーベルのシニアマネジャーであり、NaoのA&RでもあるマイケルからMishaに話を持ちかけると、すぐに複数のトラックを制作して送ってくれました。その中でNaoが直感的に惹かれたものが、Jussi Halmeも参加した「Inner Universe」の原型です。
Jussi Halme(ユッシ・ハルメ)は、フィンランド出身のプロデューサー、作曲家、キーボーディストで、同国のジャズファンク、ディスコ、ブギー・シーンにおけるレジェンドとして、40年以上にわたり国際的に活躍しているアーティストです。
フィーチャリングで参加しているChien Chien Luは、ニューヨークを拠点に活動する台湾出身のヴィブラフォン奏者で、僕が以前から注目してきたアーティストです。Roy Ayersを思わせるジャジーなヴィブラフォンを、この曲にどうしても加えたい。そう考え、彼女にコンタクトしました。アメリカではNaoと同じくMaria Matiasがブッキングを担当しており、彼女自身もNaoとのコラボレーションを望んでくれていたようで、話はとんとん拍子に進みました。
こうした素晴らしいコラボレーションから生まれた「Inner Universe」は、シングルにはなっていないものの、テーマが今回のアルバム全体と深く重なる重要な一曲です。
自分の中にある無限の可能性に、終わりはない。
キャリア14年を経てなお、まるでキャリアの一日目のような気持ちになれる。これから自分には、どれほどの可能性があるのだろう。前作『Flow』のワールドツアーを通してNaoが感じた、その感覚を表現するために生まれた楽曲です。宇宙からメッセージを受け取り、エネルギーが満ちていくような感覚を描いています。
無限の可能性を感じさせる宇宙観や未知なる感覚をMishaとJussiが作り出し、そこにきらりと光る流星のように、Chien Chien Luのヴィブラフォンが曲のクライマックスを彩ってくれました。
8. 「Shadow」 feat. Bilal

Bilalとのレコーディングは、今回の制作全体を通しても、最も印象的な出来事の一つでした。
Bilalは、2026年のグラミー賞で『Adjust Brightness』がBest Progressive R&B Album部門にノミネートされ、ヨーロッパでも絶大な支持を集めています。Beyoncé、Solange、Erykah Badu、Jill Scottなど、錚々たるアーティストとの共演歴を持つ、フィラデルフィアを代表するトップアーティストです。
彼がビルボードライブ東京で公演を行った2017年1月、初めて直接会う機会がありました。それから約10年後、Bilalと本当に共演できる日が来るとは、当時は想像もできなかったと思います。
彼とのレコーディングは、ブルーノート・ニューヨークでのNaoの公演を支えてくれた、僕の大切な友人でありエンジニアでもあるWayne Trevisaniのスタジオで行いました。マンハッタンの中心部にあるこのスタジオで、彼はMaxwellやJennifer Hudsonをはじめ、数々のトップアーティストから信頼を集めています。

レコーディング当日、Bilalは僕らのためにフィラデルフィアからマンハッタンまで車で来てくれました。同じスタジオに入り、まず二人でトラックを聴きながら、Naoが曲の意味や歌詞の方向性を説明しました。
タイトルの「Shadow」が意味するのは「影」。自分の影の部分を探究する曲です。Naoがアルバム全体のテーマに据えた、ユングが提唱する「self」という概念においても、「Shadow」は重要な役割を担います。簡単に言えば、普段は目を背けがちな自分の弱さや受け入れがたい部分を認めることが、より全体的な自己へ近づくためには欠かせない、という考え方です。
NaoがBilalをこの曲のパートナーに選んだのは、彼の作品『Adjust Brightness』を聴き、近しい精神性を感じたからでした。実際のスタジオでも、このアイデアについて二人でじっくり話す時間がありました。そして彼はペンを持ち、レコーディングブースへ入っていきました。
この曲のトラックは、僕が最も信頼を置くミュージシャンの一人であり、NaoのUSバンドにも参加しているCorey Bernhardと、僕との共同プロデュースで作りました。これほどダークでサイケデリックな曲をNaoのアルバムにもたらすことになるとは、当初は想像していませんでした。しかし、彼女が掲げたテーマと見事に重なり、Bilalに聴いてもらう頃には、メロディのアイデアも歌詞のテーマも固まっていました。この曲では、光と影が対話し、やがて融合していく様子を表現しています。
レコーディングブースに入ったBilalの口から生まれる言葉もメロディも、まさに次元が違いました。アメリカの第一線で活躍するトップアーティストの実力と才能を目の当たりにし、ただ圧倒されるような感覚でした。

さらりと生み出したものが、とんでもないクオリティで形になる。グラミー級のアーティストとは、こういうことなのか。
この曲には、僕が日頃から対話し、ともに仕事をしている友人のミュージシャンも参加しています。一人は、先ほど紹介したCorey Bernhard。もう一人は、BIGYUKIのギタリストとしても知られるRandy Runyonです。二人はバークリー音楽大学時代からの仲で、過去には『Philly Soul Sessions』に収録された「Calling」でも共作しています。Randyは現在Bilalのバンドに参加しており、Coreyも過去にそのメンバーを務め、2026年にフィラデルフィアで行われたRoots Picnicではバンドに加わっていました。
CoreyがSteve McKieとともに率いるKilliam Shakespeareは、今でも僕が世界で一番好きなバンドです。CoreyともRandyとも、これから先ずっと一緒に制作を続けていきたいと思っています。
9. 「Heartbeat」 feat. Khari Mateen

「Heartbeat」は、MXXWLLが来日し、Naoの部屋で一緒にセッションをしていたときに生まれた曲です。
この曲には、少し特別な背景があります。
セッション前日の2025年10月14日、D’Angeloの訃報が届きました。
翌日のセッションでは、僕もMXXWLLもひどく落ち込んでいました。Naoのスタジオで顔を合わせたものの、どうしても気持ちが上がらない。理由を話してみると、同じ訃報に大きなショックを受けていたことが分かりました。僕自身、アーティストの訃報でこれほど気持ちが沈んだことはなかったと思います。だからこそ、彼へのトリビュートとなるような曲を作りたいという思いが生まれました。
喪失感だけを歌うのではなく、彼が残してくれた偉大な音楽性を、僕らなりの形で次の世代へつなぎたい。
2000年代以降のソウル/R&Bを志す者で、彼の音楽を通っていない人はいないと思えるほど、D’Angeloは僕らにとって大きな存在でした。彼のファンクネスをどう受け取り、自分たちなりに昇華して表現するか。MXXWLLと対話を重ねながら、丁寧にトラックを作っていきました。
NaoもD’Angeloに魅了され、その音楽性から大きな影響を受けてきました。ある意味、彼がいなければ、550万回以上再生されているこのYouTube動画が、これほど多くの人に知られることもなかったと思います。
この曲のコラボレーションには、僕の大親友でもあるKhari Mateenが参加し、Naoとのデュエットのような形で楽曲が仕上がりました。Naoが作った基本のアイデアをもとに、Naoと僕は何度もスタジオに入り、レコーディングした音源をKhariに送りました。そこからフィードバックを受け取り、互いにアイデアを交換しながら、ライティングをブラッシュアップしていきました。

この工程では、Naoの成長をはっきりと感じる場面が何度もありました。ソングライターとして、自分で作ったメロディへのこだわり、各セクションのアイデア、歌詞の方向性。どれを取っても、以前とはまるで別人と思えるほどの変化でした。
基本となるメロディと歌詞の方向性が決まったあと、Khariの十八番であるバックグラウンドボーカルのアレンジメントが施されました。まさに唯一無二です。特にセカンドバースの印象的なコーラスワークに、ぜひ注目してください。
3rdアルバム『The Truth』の表題曲を手がけてくれたKhariとは、2016年から10年にわたる付き合いです。その後も前作を含め、Naoの作品に関わり続けてくれています。現在は映画音楽の世界でも数々の賞を受賞し、近年ではJill Scottの作品にも参加しています。
この曲は、アルバムの中でも完成までに少し時間がかかった一曲です。
アルバム全体の最終的なクオリティを管理することは、僕の責任です。とても光栄である一方、少し孤独な作業でもあります。すべてのボーカルレコーディングが揃ったあと、ファイルをまとめ、楽器やボーカルに細かな編集を施して整理し、改めて一曲の作品として完成度を判断する。全曲を通して、それが僕の役割でした。
すべてのパートが揃ったあとも、この曲には何か足りない要素があるように感じ、最後まで悩んでいました。こういうときは、僕自身がアレンジを加える場合もあれば、プロデューサーに相談することもあります。しかし、この曲については、いくら向き合っても解決するアイデアが出てきませんでした。
そんなとき、「曲はどうなった?」と連絡をくれたのが、この曲のプロデューサーであるMXXWLLでした。彼は自分の作業をすべて終え、必要なファイルも渡してくれていました。僕は「最終形を送るね」と伝えていたものの、時間が経ってしまっていたため、気にかけてくれていたようです。連絡をもらって相談すると、彼はすぐに問題を解決してくれました。
その優しさと柔軟性に触れ、世界中のアーティストたちが彼と仕事をしたがる理由を改めて感じました。そして、兄弟や家族のように、悩んでいた僕を導いてくれたことに心から感謝しています。
最終的には、Robert Glasperの『Black Radio』でグラミーを受賞したミックスエンジニアであり、前作の「Selfish」と「Anywhere Anytime」も手がけてくれたQmillionが、ミックスで魔法をかけてくれました。彼の手によって、ドラムのサウンドが見事に生まれ変わりました。
10. 「Side Of You」
MXXWLLとは、友人としても音楽的にも感覚が合い、今回、本当にたくさんの曲を一緒に作りました。その中でも、「Side Of You」は少し異なるヴァイブスを持っています。
悲しみをたたえた曲でありながら、幾重にも重ねたボーカルスタックによって、アルバムの中でも特にスケールの大きな楽曲になりました。アルバム唯一のバラードであり、いわゆる「ビッグソング」と呼べる一曲です。
ボーカルとギターが幾重にも重なっていくエンディングまで含めて、Naoの感情がとてもよく表れた楽曲になったと思います。

ボーカルアレンジメントは、Naoと親しいKiah Victoriaと一緒に作り上げました。この曲はプロダクションというより、Naoのメッセージへのこだわり部分が最も重要だった曲であり、そこは本人のInstagramでの解説に委ね、ここではあえて多くを語らないようにしたいと思います。
この曲には、Naoの本音が詰まっている。
11. 「Yet to Come」 feat. Keyon Harrold

「Yet to Come」についてはVOL.3で詳しく書いたので、ここではプロダクション面の話を中心に残しておきます。
この曲はもともと、Big Stateが心から尊敬していた、牧師でもある父親を亡くしたときに書いた曲です。当初は「Confusion」というトラック名で、僕のもとに届きました。
フルートから始まるイントロには、真っ赤に燃える夕日を見つめているような情感があり、Stevie Wonderを思わせる雰囲気を持つ、極めて印象的な一曲でした。
当時、Big Stateはこの曲を自分でプロデュースし、完結させる予定ではなかったようで、僕にこう伝えました。
「君が思うように差し替えて、アレンジをし君がプロデュースをしていってくれ」
できれば彼と一緒に完成させたかった楽曲でしたが、この曲は世に出すべきだと思い、僕が引き受けることを伝えました。Naoがメロディをつけ、僕と一緒にデモを作り、VOL.3で書いたとおり、当初共作する予定だった相手へ送りました。
本アルバムでは、「In the Rain」を含め、Naoのルーツであるソウルミュージックへ回帰する流れを取り入れています。その中でも、この曲はとても重要な役割を担っていました。そのため、サンプル主体だったトラックを、すべて生の楽器に差し替えることにしました。
生の楽器を録音して加えることには、作品に血を通わせるような感覚があります。少し古い考えかもしれませんが、仲間たちと血の通った作品を作りたいという思いもあり、ベースをJay Bratten、ギターをDai Miyazaki、ドラムをJharis Yokleyにお願いしました。
JharisとはBIGYUKIを通じて仲良くなり、現在はSWEET SOUL RECORDSが日本でのエージェントを務めています。
フィラデルフィアやニューヨークで録音されたドラム、ベース、ギターのパートを受け取り、丁寧に楽曲へ組み込んでいきました。
その後、楽曲にさらに熱を加えるため、バックグラウンドボーカルのレコーディングをRojo “Redd” LaVoeにお願いしました。Reddは、Naoがオープニングアクトを務めたLiv Warfieldのツアーで出会った仲間で、D’Angelo & The Vanguardのツアーにも参加していました。
そして最後のソロセクションには、同じくD’Angelo & The Vanguardに参加していたNaoの友人、Keyon Harroldがトランペットを重ねてくれました。
この曲は、アルバムの中でも特に人間味があり、ソウルミュージックを象徴するような楽曲です。他の曲とは少し異なるヴァイブスを持っています。
今では、膨大な数の楽曲が日々デジタルストリーミングプラットフォームへアップロードされ、AIによって作られた音楽も急速に増えています。音質のよいサンプルも、誰もが簡単に手に入れられる時代になりました。
だからこそ、生の楽器を録音することや、仲間たちとスタジオに集まって音楽を作ることの価値を、僕は改めて見直したいと感じています。コロナ禍以降、そうした機会が少なくなった今だからこそ、なおさら大切にしたいと思うのです。
この楽曲のメッセージは、僕自身にとっても大きなインスピレーションになりました。

「まだこれからだ」と思える瞬間が、誰にでも訪れるはずだ。
Naoはやっぱりソウルシンガーです。この曲には、思いの丈を余すことなく込めてもらいました。
12. 「Shelter」 feat. Sam Wills

Sam Willsは、UKで独自の存在感を放つインディペンデントアーティストです。その才能は、Tom Mischが共作相手に選ぶほど。彼の世界観とメロディセンスは、僕が知る男性ボーカリストの中でも随一だと思います。代々木上原のクリエイターズハブ/カフェ、higher.でも、彼のこの曲を繰り返し流しています。
2018年に「Both of Us」を聴いて、彼のファンになりました。グラミー賞受賞歴を持つプロデューサーでもありますが、近年は他のアーティストをプロデュースする仕事から少し距離を置いていたようです。
彼は、ロンドン中心部からブライトン方面へ電車で一時間半ほどの、南海岸に面したヘイスティングスという街に住んでいます。

ヨーロッパツアーの合間に、ぜひセッションをしようという話になり、彼のスタジオを訪れました。まずは彼の自宅近くにある海の見えるカフェで一緒に食事をし、ゆっくりと時間を過ごしながらさまざまな話をして、それから制作に入りました。
ヘイスティングスにある彼の制作スペースには美しい自然光が差し込み、アーティストがクリエイティブなマインドになれる環境が整っていました。その場で数曲を一緒に作りましたが、中でも強く心に残ったのが、彼が長年弾き続けてきたと思われるアップライトピアノから生まれた曲でした。Samのピアノの旋律は本当に美しく、当初はバラードとして仕上げるつもりで、Naoがメロディを作りました。
日本に楽曲を持ち帰り、できあがったメロディを彼に送ると、こう提案してくれました。
「ドラムを少し入れてみたらどうだろう」
そこから曲は大きく動き始め、初期のメロディから一変し、彼のメロディセンスが存分に発揮されていきました。何度もやり取りを重ね、最初に作ったバラード部分は、少し異例の形でブリッジへ移され、現在の「Shelter」の形になりました。
完成した音源には、慈悲や神々しさ、心の重荷がふっとほどけていくような清々しさがあり、聴きながら自然と涙がこぼれました。アルバムの中で最も心を動かされた曲と言ってもいいかもしれません。アルバムで最後に完成した楽曲だったこともあり、その感動はひとしおでした。
こうしてM01からM12までを振り返ると、『self』はNaoが自分自身と向き合うためのアルバムでありながら、決して一人だけで作られた作品ではなかったと改めて感じます。
オランダ、シカゴ、ベトナム、フィンランド、ニューヨーク、フィラデルフィア、イギリス、そして日本。国籍も世代も音楽的な背景も異なるアーティストたちが、それぞれのルーツや感情を持ち寄り、一つの作品を作り上げました。そこに共通していたのは、互いの表現に対するリスペクトです。
僕たちが長い時間をかけて育ててきた「World Soul Collective」という考え方は、単に世界中のアーティストの名前を一つの作品に並べることではありません。実際に出会い、言葉を交わし、同じ音に耳を傾けながら、それぞれが持つものを少しずつ重ねていく。その時間の中で生まれたものが、この12曲に刻まれています。
他者との対話を通して、自分の中にある光や影、弱さや可能性が浮かび上がる。そう考えると、多くの人との共同作業によって生まれたこと自体が、『self』というテーマをより深く表しているのかもしれません。
今回、プロデューサー/A&Rとして僕が担ったのは、Naoの表現と世界各地の才能をつなぎ、それぞれの個性が最も自然な形で響き合う場所を作ることでした。その出会いの一つひとつがNaoの表現を広げ、同時にアルバムの中心にある彼女自身の姿を、より鮮明にしてくれたように思います。
これで『self』全12曲の解説は完結です。次回はいよいよこのシリーズの最終回として、制作全体を通して見えてきた『self』の意味と、この作品を世に送り出した今の思いを書きたいと思います。
過去記事はこちら
「self」プロデューサーズライナーノーツ VOL.1 2013年から続く、世界への挑戦
「self」プロデューサーズライナーノーツ VOL.2 弱さを受け入れて、自分の言葉を手に入れるまで
「self」プロデューサーズライナーノーツ VOL.3 『Yet to Come』叶わなかったコラボレーションが教えてくれたこと
「self」プロデューサーズライナーノーツ VOL.4 全曲解説・前編「Changes」から「All I Wish」まで